Keywords
背景
近世 行政革命 国家形成 消費革命 産業革命
概念
経済成長 市場経済 都市化 社会的流動性
地域経済 中間層 資本家 公共財
方法
経済史学 都市史 制度史 歴史人口学 女性史
背景
近世 Early Modern
1600年頃に西洋との関係を拒んだ日本政治の流れが、1800年以降、大きく変わり始めたのはなぜでしょう?もちろん、日本側の事情は広く知られています。一方、その理由は、西洋の側にも見出されるのです。16〜18世紀の300年間は、西洋はもちろん、日本にとっても、その後の経済の質を決定づけることになる注目すべき時代であったことがわかってきました。続きを読む 2024.09.29
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行政革命
Tudor Revolution in Government
民主主義と権威主義の政治。経済にとってどちらの体制が優れているかを問う最近の思想的潮流は、決して特別なものではありません。同様の問いは、冷戦時代にも存在しましたし、国家建設の歴史を踏まえれば、時をさらに遡ることもできるでしょう。近世に分岐する各国間の政治システムの違いは、やがて経済力の差を伴って近現代史の方向性を決定づけることになったのです。続きを読む 2025.02.15
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国家形成 State Formation
時代劇の中で農民や町人が、日本や日本人に言及する台詞は聞いたことがありません。庶民にとって国や国籍が重要と思えるようになるその後の時代背景には、暮らしの中で外国を意識せざるを得なくなるグローバル化の流れがあったことを歴史の授業で学びます。西欧経済史には、国家の機能が高まる一方で、「個人」の存在も重視されるようになるという、アジアにはないもう一つの歴史的潮流がありました。
続きを読む 2024.09.26
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消費革命 The Consumer Revolution
消費の拡大が経済成長にとって欠かせないのは言うまでもありません。また、活発な消費には、個人による商品の選択を通じて自由な社会を維持する効果もあります。消費革命がいつどの国に起こったかを調べることで、そのことがよりはっきりと理解できるようになるでしょう。イギリスでは、早くも17世紀前半には市場に出回る消費財の種類が増加傾向にあったことが明らかになってきました。 (川名:2024 ,第2章)。続きを読む 2024.06.30
【参考文献】川名 洋 (2024)『公私混在の経済社会』 日本経済評論社.
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産業革命 The Industrial Revolution
近年、地球温暖化の元凶とみなされ評価が分かれるキーワードです。しかし、論争は今に始まったわけではありません。経済成長や市場のメカニズム、地方財政や貧困問題。これらはどれも、18世紀後半から19世紀前半にかけて起こった生産技術の革新後に、社会科学の主たる研究テーマとなりました。もちろんこれらの事象全てが産業革命のみに起因するわけではありません。しかし、社会科学が、産業革命後に浮上した諸課題に対し学問的に向き合う方法となったことは間違いないでしょう。
続きを読む 2024.06.26
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概念
経済成長 Economic Growth
各国のGDPの値を調べることによって経済成長のスピードを比較できるようになります。ところが、GDPの大きさだけでは経済の質と社会への影響を把握することはできません。経済成長を人間の成長になぞらえて考えてみましょう。健康診断は大切ですが、その結果から各人の性格はわかりませんし、人格が育まれる様子を知ることもできません。個々の生い立ちを詳しく調べてみると思いもよらない発見があるものです。
続きを読む 2025.07.25
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資本家 Capitalist
財産を自らの意思で自由に費やすことができるのは人間だけです。その意味で、消費は最も人間らしい行為と言えます。一方、近世ヨーロッパでは、証券市場が生まれ投資の機会が増えることによって、個人資産の使い道は、事実上、消費財の生産から軍拡に至るまで、さらに広がることになりました。財政革命や産業革命が画期的なのはそのためです。続きを読む 2024.09.12
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社会的流動性 Social Mobility
西欧と日本の経済史を紐解くと、都市化の質に大きな違いがあったことがわかります。17世紀にはいずれの地域でも都市経済が栄えます。ところが、18世紀に入ると、都市化の勢いには大きな違いが現れます。社会的流動性にその違いを説明しうるヒントがありそうです。西欧ではジェントリや中間層の人々が躍動していたことがわかっているからです。
続きを読む 2025.11.04
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大分岐 The Great Divergence
19世紀に入るとイギリス産業革命の成功を他の西欧諸国とアメリカ合衆国が追いかけることになります。その結果、20世紀には欧米諸国と他の国々に住む人々の間の所得格差が広がる結果となりました。大分岐と呼ばれる現象です。続きを読む 2024.05.29
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中間層 The Middling Sort
専門職に携わる人々の価値観は、豊かな公共圏をつくる知的エネルギー源です。そこで、医師、弁護士、教員、看護師、建築士、会計士、官僚、ジャーナリストらの行動と言動が注目されます。実は、これら中間層の人々の集合的アイデンティティは、消費行動にも現れることがわかってきました。その特徴は、一国の経済を質の面から評する手掛かりにもなるのです。続きを読む 2024.10.04
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都市化 Urbanization
産業革命によって人々の働き方は大きく変わりました。家庭ではなく、工場やオフィスで働くことができるようになったからです。都市化によって人々の暮らし方も大きく変わりました。農業に携わることなく生きる選択肢が広がったからです。西欧では産業革命が18世紀後期に起こりました。しかし、都市化はそれよりも前から始まっていたのです。
続きを読む 2024.06.30
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方法
経済史学 Study of Economic History
経済史学の教育は19世紀ヨーロッパの大学で始まりました。どの経済学部にも「経済史」という科目があるのは、経済学もまた、西洋の歴史的文脈に沿って発達した学問だからです。個人(ミクロ)と国家(マクロ)の存在を前提に学ぶ経済学に親しみを覚えるのも、実は、近代経済の価値が、消費革命、財政革命、市場革命をきっかけに伸びる欧米経済の歴史とそれを暗黙に認める歴史観に支えられているからです。続きを読む 2025.11.09
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制度史 Institutional History
企業や役所に限らず、部活やサークルでも、組織内ではルールづくりに長い時間と労力を費やすことになります。組織運営にトラブルは付きものですから、その都度、新たなルールがつくられ、その数は自ずと増えていきます。取引の量と種類が増加し、経済の中身も複雑になると、組織とルールの数は益々増加していきます。ところが、ルールと自由は、本来、両立しないので、その数が増えればいつの間にか取引の自由は制約されることになりかねません。実は、その想定を見事に覆してみせたところに、西洋経済史の面白さがあるのです。
続きを読む 2025.07.08
歴史人口学 Historical Demography
軍備、食料供給、税収にかかわる総人口の変化は、いかなる政府にとっても重要な関心事項です。西欧では19世紀始めに人口センサスが導入されますが、それ以前の総人口を長期にわたり把握できる正確なデータは残されていません。しかし、断片的な証拠からでも信頼できる人口史を描けることがわかってきました。その効果は、中世から近現代に至る長期の経済動向をより正確に把握できるようになる点に表れます。今では産業革命が特定の地域に起こった理由もわかるようになりました。 続きを読む 2025.03.13
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女性史 Women's History
今後、女性史は、経済について学ぶ者にとって重要なアプローチの一つになることが予想されます。なぜなら、経済学部において男性の割合が圧倒的に高い理由は、未だによくわからないからです。研究と教育とではマーケットは異なるものの、合理的かつ客観的であるべき学問の世界に男女による差が生じるのはなぜか。経済と社会との関係について理解を深める上で重要な課題設定になりそうです。
続きを読む 2025.08.16
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