資本家
担保になり得る資産を積極的にビジネスに活用する人のことですが、具体的にイメージするのが難しく、つい大雑把な理解に陥りがちな用語です。例えば、産業革命期に登場する工場主や問屋制度を組織した織元らはわかりやすい例ですが、東インド会社に投資する主婦、ロンドン市の有力な親方職人、裕福な自作農や下層地主(ジェントリ)らのように、実際に投資をビジネスの一部と考えていた者を含めれば、そのプロフィールは様々でした。
一方、資本家をその下で働く人々との雇用関係に限定して捉えるのも狭すぎます。リスクが大きいビジネスにあえて挑んだり、新しいアイディアを生み出しイノベーションを起こしたりする人々も経済史における重要なアクターだからです。それに、社会を「層」としてではなく、ユニークな「個」の集団と捉えることを怠れば、西洋経済史の本質を見誤ることになるからです。とくに西洋経済史には、やがて持続的経済成長に結びつくことになる新たな発想や発見の歴史を辿る魅力があるので、社会における資本家の積極的役割を見逃すわけにはいきません。2024.09.12
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Last updated : 2024/09/12
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