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はじめに 公共財の歴史的前提 ** |
はじめに政府の役割の一つは、万人にとって必要で、かつ政府でなければ準備できない財とサービスを提供することにあります。それらの中には、生存に欠かせないもの(災害対策やきれいな空気など)がある一方で、占有すれば利益を独占したり、支配の道具にできるものもあります(法、軍隊、教育など)。これらに共通する特徴は、どれも市場取引には適さない点です。経済学では「公共財」という用語が当てられています。 こうした財とサービスは、どの時代やどの地域にも存在しました。しかし、それらを「公共財」と呼ぶためには、ある条件が必要となります。それは、政府と公的制度に対する信頼性が人々の間に定着していることです。そのような信用がなければ、必要不可欠な財とサービスとはいえ、それらの供給を政府に任せることはむしろ大きなリスクになりかねないからです。 公共財には、経済学で言うところの非競合性や非排除性が伴うことは広く知られています。しかし、肝心なのは、市場経済の主体である「個人」にとって、その財やサービスの提供者が信頼に足る存在であるかどうかです。それは、公共財が、市場経済を補完する概念として提唱された経緯からも納得できるでしょう。 参考文献
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