国際卓越研究大学
「経済史のキーワード」に新概念「家内取引」を追加しました。
2025.11.01
経済学部の受講生に経済史学におけるパラダイムシフトについて解説しました。2025.10.16 全学教育の講義にて、理工系学部の学生に西洋経済史の魅力について解説しました。2025.04.15 英語講義GPEM Lecturesでは米独伊、中国、インドネシア、ウクライナからの留学生と比較経済史について議論することができました。2025.01.25 市場の働きを制御する諸制度を長く機能させるには、個人の選択が何よりも重要であるという価値観が社会に浸透していなければならない。イギリスでは、近世前半期(16〜17世紀)においてすでに、そのような「公私混在の経済社会」が自治都市を中心に成立していたことがわかってきた。
【参照】自治都市 イギリス都市史
都市モラルの本質は、「公共善」を掲げる理想と私益を優先する個人的都合の狭間で起る妥協点の探り合いにある。 こうした現実を直視するとき、「公」が善で「私」は悪という単純な二元論でなく、両者の補完関係に踏み込む新しい論理が必要となる。
本書は公と私が重畳するなか自治が実践される現代都市の源流を、一次史料をもとに先進国イギリスの経済拠点に見出しその構造を解明、都市化現象の歴史的意義を問う都市史学の新たな方法論を提唱する。 経済史・都市史 Last updated : © 2002 Yoh Kawana
東北大学 大学院経済学研究科 川名 洋教授(西欧経済史)
Prof. Yoh Kawana(Ph.D. University of Leicester)
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西欧経済史研究室 2025
著書紹介 近世イギリス都市の社会原理
単著 『公私混在の経済社会ー近世イギリスにおける個人と都市法人』日本経済評論社, 2024年
単著 『イギリス近世都市の「公式」と「非公式」』 創文社, 2010年 講談社(電子版)
研究業績
専門分野
単著
共著
中野 忠他編, 『一八世紀イギリスの都市空間を探る―「都市ルネサンス論」再考』, 刀水書房, 2012年 article pdf
イギリス都市・農村共同体研究会, 東北大学経済史・経営史研究会共編, 『イギリス都市史研究 ―都市と地域―』日本経済評論社, 2004年
論文
「中世イングランドにおける救貧活動と介護施設の変遷―都市のホスピタルを中心に― 」, 研究年報『経済学』第76巻第1号(2018年), pp.125-144.
「中世・近世イングランドにおける手工業の展開―都市史の視角―」, 『研究年報経済学』, 第74巻第4号(2014年)article pdf
「中世・近世イングランドの商業化―都市史の視点―」, 中野 忠他編, 『一八世紀イギリスの都市空間を探る―「都市ルネサンス論」再考』, 刀水書房, 2012年 article pdf
「『長い17世紀』のイングランドにおける国家形成―公権力と市民性をめぐる研究動向―」, 『社会経済史学』, 第73巻第2号(2007年)参考 Wサイト:J-STAGE(全文)
'Trade, sociability, and governance in an English incorporated borough:
''Formal'' and ''informal'' worlds in Leicester, c.1570-1640', Urban History , vol. 33, 3 (2006)
「『国家形成期』におけるイギリス都市の経済とガバナンス」, 社会経済史学会, 第9回東北部会報告, 2006年12月
「16世紀イングランド自治都市に見る定住民と移住民」, イギリス都市・農村共同体研究会報告, 2006年5月
「近世イングランドにおける都市経済基盤とその変容過程 ―内陸都市レスターの事例―」, イギリス都市・農村共同体研究会, 東北大学経済史・経営史研究会共編,『イギリス都市史研究 ―都市と地域―』, (日本経済評論社, 2004年), 所収
'The Urban Foundation of the Regional Economy Peripheral Towns in the English
Midlands, c.1550-1700', The Seventh International Conference on Urban History,
European Association of Urban Historians, Athens, 2004, 10
'A survey of urbanization in the English Midlands, c.1550-1750', Annual Report of the Economic Society of Tohoku University, vol. 65, 47-58 (2004)article pdf
「イギリス近世都市における『公式』と『非公式』 ―16世紀後期及び17世紀前期レスターの事例―」, 『社会経済史学』, 第69巻3号 (2003年)
「近世イングランドにおけるアーバン・プロセス ―州都市レスターの事例―」, 『比較都市史研究』, 第19巻2号 (2000年)
'City gates in pre-modern England: informal functions and public perceptions',
The Fifth International Conference on Urban History, Berlin, 2000, 9
'The impact of London's growth in the late sixteenth and early seventeenth
centuries: A new approach,' Annual Report of the Economic Society of Tohoku University, vol. 61, 353-67(1999)
学会・学内役員
学会役員
社会経済史学会・幹事
社会経済史学・編集委員(2012.1-2025.3)
Urban History・International Editorial Board (2005.1-2020.12)
学内役員
東北大学入試実施委員会・副委員長(2018.4-2019.3)
東北大学入試実施委員会・委員長(2019.4-2020.3)
東北大学経済学部・入試実施委員会・委員長(2020.4-2022.3)
東北大学大学経済学研究科・副研究科長(2025.4-2027.3)
外部資金取得状況
2025.4-2030.3
科研費・基盤研究C2023.4-2024.3
科研費・「研究成果公開促進費・学術図書」(『公私混在の経済社会ー近世イギリスにおける個人と都市法人ー』 日本経済評論社)2018.4-2024.3
科研費・福祉の混合経済に関する史的研究―近世イギリス都市における公式・非公式領域の検証2014.4-2019.3
科研費・近世国家形成期におけるイギリス自治都市の公式と非公式―複眼的経済史研究の方法2011.4-2014.3
科研費・西欧における都市公共施設の機能と役割に関する歴史学的研究2009.4-2010.3
科研費・「研究成果公開促進費・学術図書」(『イギリス近世都市の「公式」と「非公式」』 創文社)2005.4-2008.3
科研費・初期近代イギリスにおける自治都市の比較分析―「非公式」な経済社会の実態と影響2000.4-2003.3
科研費・社会的ネットワークと都市空間―イギリス近世都市における経済・社会関係の基本構造