はじめに市場とは、不特定多数の売り手と買い手が取引する場所であり、そのための制度でもあります。商業の発達を示す用語ですが、歴史的文脈に応じて、その場所(市場)に着目する場合と、制度について説明される場合があります。いずれの場合にも、歴史上、当局の監視下において取引のルールと慣習を維持する機能が重視されます 【参考 公開市場】。 ところが、近代経済において市場といえば、その経済効果に注目が集まります。すなわち、売り手と買い手による自由な選択に応じて働く価格メカニズムです。その効果を重視する近代的市場では、ルールや慣習、当局による監視など、個人による選択に作用しかねない影響力は副次的要件となりました。こうして、市場には、個人による選択の自由を尊重する特別な価値観が付加されました。当然、市場経済という用語にもその価値観が強く反映されるようになったのです。
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