国際卓越研究大学 UREX 1
東北大学 大学院経済学研究科 川名 洋教授(西欧経済史)

Prof. Yoh Kawana(Ph.D. University of Leicester)


経済史のキーワード

チャリティ
Charity

【関連時事】 寄附税制の促進 非営利法人の設立 寄付文化

 
 

はじめに

慈善活動における「公式」と「非公式」 **

§参考文献§

はじめに

 西洋経済史のおもしろさは、現代社会が成り立つ条件を理解する上で参考になる歴史的特徴をいくつもそこに見出すことができる点にあります。市場経済の歴史と弱者救済の歴史との関係はその一つです。古代オリエントに起源を持つ教会の影響が大きかったと考えられます。

 ヨーロッパには、「経済成長」の歴史よりもはるかに長い「富の分配」の歴史がありました参考 救貧法。それは、福祉経済の歴史を近現代史の枠内に留めることができない理由でもあります (川名: 2024, 第6章, 第7章)。。

 現代社会には、様々な慈善団体が存在しますが、中世ヨーロッパにおいても事情は同じでした。例えば、修道院やそこから派生した施療院・救貧院の存在は広く知られています。弱者をいたわることを目的としたこれらの施設は、ホスピタルと呼ばれていました (川名: 2024, 第6章)。都市には他にも、カンパニーやギルドと呼ばれる組織が構成員の福祉を目的に数多く誕生しました。商業中心地とされるヨーロッパの中世都市ですが、種々の慈善団体の存在を踏まえれば、救貧や介護を担う組織のクラスターとして捉え直すことができるでしょう。
2025.06.24

参考文献

      川名 洋 (2024)『公私混在の経済社会ー近世イギリスにおける個人と都市法人ー』 日本経済評論社.
      Gittings, C. (1984), Death Burial and the Individual in Early Modern England. London.
      Maddern, P. (2015), 'A market for charitable performances?: bequests to the poor and their recipients in fifteenth-century Norwich wills', in A. M. Scott, ed., Experiences of charity, 1250-1650. Farnham.
      McIntosh, M. K. (2012), Poor relief in England 1350-1600. Cambridge.
      Slack, P. (1988), Poverty and policy in Tudor and Stuart England. London.

Top ▲

Last updated:

© 2024 Yoh Kawana