国際卓越研究大学
東北大学 大学院経済学研究科 川名 洋教授(西欧経済史)

Prof. Yoh Kawana(Ph.D. University of Leicester)


経済史のキーワード

国際経済

 

  Keywords

五十音順

価格革命 The Price Revolution

 物価上昇には、近代経済思想の潮流さえ変えるほどの大きな影響力があることはよく知られています。その物価上昇が約1世紀もの長い間続いた影響を軽んじるわけにはいきません。実際、そうした現象が16〜17世紀前期の西欧に起こり、その結果、経済史の流れは大きく変わることになったのです。それは、産業革命よりも100年以上前のことでした。
続きを読む2025.08.05

商業革命 The Commercial Revolution

 中世に遠隔地貿易で栄えた西欧諸国は、近世に入るとさらに遠方へと商業圏を拡大していきます。アジア、アフリカ、アメリカでの取引に向け種々の貿易会社が設立され、資金調達を円滑にする金融市場も動き出し、独創的なビジネスの形が考案されるようになります。一方、スペインとポルトガルの例が示すように、商業革命が近代経済に直結したわけではありません。近世においてイギリス商人らが手がけるアジア、アフリカ、アメリカとの貿易量も、ヨーロッパ中心の従来の市場規模を考えれば、まだ限られていたと言えるでしょう。2025.08.12

植民地主義 Colonialism

 植民の歴史には常に、取引や価値観の強制といった負の側面と、優れた技術や制度、思想の伝播といった正の側面とが存在します。感情を揺さぶられるテーマですが、いずれの影響も定量化は困難であるため、単純に正と負の側面を天秤にかけるような結論は説得力に欠けるでしょう。また、国と時代によって大きく異なる事例の差異を無視して、植民の歴史を一律に評するのも適当とは言えないでしょう。 続きを読む2024.06.13

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大分岐 The Great Divergence

 19世紀に入るとイギリス産業革命の成功を他の西欧諸国とアメリカ合衆国が追いかけることになります。その結果、20世紀には欧米諸国と他の国々に住む人々の間の所得格差が広がる結果となりました。大分岐と呼ばれる現象です。続きを読む2024.05.29

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奴隷貿易 The Slave Trade

 言わずと知れた植民地主義にまつわる負の遺産ですが、西洋経済史の研究では論争が激しいテーマの一つです。奴隷貿易は、イギリス産業革命期を含む18世紀に盛んであったことから欧米経済の成功要因と考えられがちですが、意外にも、そのルーツを辿ると、アフリカ大陸内における悪しき伝統に突き当たります。そこでは、西欧人が訪れる前から奴隷制が広まっていたのです (Allen: 2011)
続きを読む2024.06.26


【参考文献】
Allen, R.(2011), Global economic history : a very short introduction.Oxford.〔訳書〕

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東インド会社
The East India Company

 遠方の地域との取引が増えれば想定すべき市場圏も当然大きくなります。西洋経済史のおもしろさは、市場圏の拡大に呼応して制度と組織が着実に変化していく様を考察できる点にあります。農業におけるエンクロージャーや、政治の分野で目立つ国家形成はその好例と言えるでしょう。

 17世紀におけるビジネスの世界に出現する新しいタイプのカンパニー、東インド会社が注目されるのもそのためです。
続きを読む2024.06.26

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