はじめに
16世紀半ばから17世紀半ばにかけて、首都ロンドンの人口は急増しました。この時期のイギリスは、強国スペインから制海権を奪取し、イギリス東インド会社の設立を機にアジア市場へも目を向けるようになりました。後に世界市場を席巻するイギリス経済の勢いを念頭に、この時期におけるロンドンの急成長は世界史的な文脈で捉えられることもあります。
しかし、ロンドン史を正確に理解するには、まず16世紀から17世紀前半にかけてのヨーロッパにおける政治的変化と、イギリス国内の社会事情を認識する必要があります。2025.08.05