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国際卓越研究大学 経済史のキーワード
![]() 産業・流通・消費 | ||
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Keywords 産業 流通・消費 産業 技術革新 Technological Innovation技術革新が人類にとって諸刃の剣であるという認識は、広く共有されています。生命の正常な営みが覆される危険性、ひいては大量破壊兵器の開発に繋がる可能性もあるからです。しかし、技術革新の流れが止まることはありません。17世紀の科学革命により、すでにパンドラの箱は開け放たれたからです。独創的な発明・発見を何よりも重んじる価値観はいかにして広まったのか。それは、西洋経済史の理解に欠かせない重要な問いの一つです。続きを読む 2025.02.05 工業化 Industrialisation 「工業化」の意味を誤解している学生を多く見かけます。工学技術の革新により、経済の仕組みが製造業の機械化と大量生産体制に依存するようになる歴史的経緯を示す用語と考えられがちですが、西洋経済史の文脈に沿って工業化について理解するためには、そのような認識では狭すぎます。確かに西洋経済史の特徴は、高度有機経済の発展の帰結に産業革命が起こるという筋書きにありますが、機械制工業の時代よりも何世紀も前から工業生産が伸びていたことがわかっているからです。続きを読む 2025.08.29 産業革命 The Industrial Revolution近年、地球温暖化の元凶とみなされ評価が分かれるキーワードです。しかし、論争は今に始まったわけではありません。経済成長や市場のメカニズム、地方財政、貧困問題。18世紀後半から19世紀前半にかけて起こった生産技術の革新の後に、これらのテーマは社会科学の主たる研究対象となりました。もちろんこれら全てが産業革命によって発生したわけではありません。しかし、社会科学が、産業革命後に浮上した諸課題に対し学問的に向き合う方法になったことは間違いないでしょう。続きを読む 2024.06.26 プロト工業化 Proto-industrialization 貧しい国が豊かになるには、工業化が不可欠です。その難しさは、人類がその方法に気付くまでに膨大な時間を費やしたという事実からも理解できます。機械化の時代が工業化の始まりであると考えがちですが、実際にはそれ以前に、手工業における分業と海外市場の開拓という、よりシンプルな工業化の第一局面が西欧において見られたのです。 流通・消費 公開市場 The Open Market マーケットと言えば、証券市場を思い浮かべる者は多いでしょう。経済史では、安価な食料品が取引される市場を指す用語になります。公開市場は、西欧経済の歴史的連続性を示す代表的な制度です。街の真ん中で市場が開かれる西欧都市は、現在でも少なくありません。公開市場は、教会と並び、開かれた西欧社会の象徴と見ることもできるでしょう。 市場革命 The Market Revolution 産業革命は西欧で起こり、市場革命は北米で起こりました。大西洋を挟む両地域に起こった2つの革命によって、生産、流通、消費のあり方は根本から覆されました。しかし、2つの革命の歴史的意義はそれだけではありません。人類の生き方が短期間に変化し続ける要因となった点も見逃せません。しかも一体どのように変わるのか、100年以上経った今も、まだ誰にもわからないのです。 消費革命 The Consumer Revolution 消費の拡大が経済成長にとって欠かせないのは言うまでもありません。また、活発な消費には、個人による商品の選択を通じて自由な社会を維持する効果もあります。消費革命がいつどの国に起こったかを調べることで、そのことがよりはっきりと理解できるようになるでしょう。イギリスでは早くも17世紀前期に、市場に出回る消費財の種類が増える傾向にあったことがわかってきました (川名:2024 ,第2章)。続きを読む 2024.06.30 食料供給 Food Supply 「地産地消」への関心の高まりは、かつての自給自足経済を彷彿とさせる興味深い社会現象と言えます。この動きを中世の封建制に照らし合わせるならば、地産地消の動向に伴い、分権化へと回帰する行政改革の可能性を想定してみるのも面白いでしょう。貿易が不活発になり世界経済も縮小するなら、中世経済へ逆戻りする感覚はさらに現実味を帯びることになりそうです。人口減少の時代特有の社会現象と言えるかもしれません。なぜなら、近代に大規模な食料輸入が実現したからこそ、経済成長に必須の持続的人口増加が可能になったことがわかっているからです。
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