はじめに組織の数と規模は、経済成長に呼応して拡大していきます。西洋では、こうした組織に特別な意味を付与する法人という概念が適用されました。その意味とは、組織を一人の人間と同じように権利を行使し、義務を負う主体と見なし、その前提に基づいて活動することを公式に認める法的擬制のことです。当然、組織の権利が侵害されれば、訴訟を起こすことが認められるようになる反面、間違いを犯せば、組織として責任を追及されるようになります。法人組織の権利と義務の中身は、時代によって少しずつ異なります。したがって、法人を一律に定義するのは困難です。しかし、確実なことは、そのような組織のあり方が、ルールに基づく豊かな市場経済を実現する上で極めて効果的であったということです。 その効果は、営利組織の歴史に如実に現れました。近世前期には、モスクワ会社やレバント会社、東インド会社など複数の貿易カンパニーに法人格が付与され、18世紀における南海泡沫事件の挫折を経て、1825〜1855年には議会のイニシアチブにより、数多くの株式会社に法人格が付与されるようになったのです (Turner: 2025)。かくして法人は、今や全世界で通用する概念となりました。
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