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TUPD-2022-002

表 題 アジアの潜在成長力に対する「高齢化税」 The Aging Tax on Potential Growth in Asia
著 者 Tran Quang-Thanh

東北大学経済学研究科 博士課程

P D F
要 旨

アジアでは人口高齢化が顕著な問題となっており、特に人口動態の変化が成長率への押し下げ圧力となっている途上国において深刻である。本稿では、このような潜在的な悪影響を「高齢化税」と呼び、内生的な退職、生存率、高齢者生産性を持つDiamond 型の世代重複モデルを用いて、新古典派的な観点から分析した。本稿の設定では、高齢化圧力のもとで生産性の低い老齢労働者が引退を先送りし、将来世代から資源を流出させることを通じて、成長率の押し下げが生じる可能性が高い。シミュレーションによれば、アジアのいくつかの国では、高齢化税は一人当たりの潜在成長率を最大で年間0.12パーセントポイント低下させる可能性がある。本稿の結果は、(自営業の比率が高い、あるいは単純労働中心の生産であるため)労働分配率が十分に高く、教育水準がある程度十分でない国が、人口高齢化に対して最も敏感で脆弱であることを示している。

キーワード 世代重複モデル Overlapping Generations Model, 人口の高齢化 Population Aging, 高齢労働者の生産性 Old Worker Productivity
掲 載 誌 Journal of Asian Economics, Volume 81, August 2022, 101495 
発行年月 2022年 3月

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