福島大学経済経営学類 准教授
東北大学経済学研究科 客員准教授

本論文は、貿易弾力性の可変性が最適関税の新しい政策的含意をもたらすことを示す。厚生の２つの十分統計量を所与として、もし貿易弾力性が一定ならば、最適な輸入関税の水準は異なる貿易モデルの間で同じになるが、より一般的には貿易弾力性が可変となるようなミクロ的構造に依存する。本論文では、貿易自由化や国家規模に関する比較静学の解析結果を用いて、これらの競争的圧力が可変の貿易弾力性のもとでの最適関税に与える双方的、一方的な効果の数量的な違いも分析する。