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TUPD-2022-018

表 題 Willingness to Pay for Pesticide-free Vegetables: A Trade-off between Appearance and Pesticide Use
著 者 野原 克仁

立教大学観光学部観光学科 教授
東北大学経済学研究科 客員教授

P D F
掲載誌 Humanities and Social Sciences Communications volume 11, Article number: 12 (2024)
要 旨

日本の消費者の多くは、野菜の形や色、大きさなど、見た目を重視しているが、野菜の栽培過程に関する正確な情報により、消費者の嗜好が変わる可能性がある。 したがって、食品ロスを減らすためにも、消費者の野菜に対する嗜好を変えること、生産者が消費者の嗜好を理解し、野菜の生産方法を選択することが重要である。 日本のスーパーマーケットでは、法的に許容される量の農薬や化学肥料を含む野菜が販売されており、無農薬野菜は一般に入手困難である。 そこで、本研究では無農薬野菜を栽培し、消費者が無農薬野菜を提示されたときにプレミアムを支払う意思があるかどうかを分析した。 支払意思額の質問形式は、二段階二肢選択法を用いた。分析の結果、消費者のWTPは無農薬野菜の見た目とは関係がないことが明らかになった。 つまり、無農薬野菜であれば、色や形にはこだわらないということが分かった。 生産者が消費者の野菜のニーズの実態を知れば、農薬や化学肥料への依存を減らし、環境にも健康にもよい野菜の市場を拡大する可能性があり、 そのような変化が、食品ロスを減らすことにつながるだろう。

キーワード 仮想評価法 contingent valuation method, 無農薬 pesticide-free, 食品ロス food loss, 野菜の外観 vegetables’ appearance, 廃棄野菜 discarded vegetables
発行年月 2022年 12月

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