本文へスキップ

Graduate School of Economics and Management, Tohoku University

 
                                            

第3回細谷賞受賞者


授賞式について

2021年11月4日開催予定

今泉 允聡氏 (東京大学大学院総合文化研究科)
茂木 快治氏 (神戸大学大学院経済学研究科)
 
 

今泉允聡(東京大学大学院総合文化研究科)
Imaizumi, M. and Fukumizu, K. (2019). Deep Neural Networks Learn Non-Smooth Functions Effectively. Artificial Intelligence and Statistics (PMLR 89).

茂木 快治(神戸大学大学院経済学研究科)
Hamori, S., Motegi, K. and Zhang, Z. (2020). Copula-based regression models with data missing at random. Journal of Multivariate Analysis, 180.

講評
今泉氏および茂木氏による論文は、それぞれ機械学習、計量経済学応における理論と応用をテーマとして、優れた成果をあげている。
今泉氏は、deep neural networksによる滑らかでない関数への近似問題を理論的に分析している。Deep neural networksは他の機械学習における方法を上回る良い方法であることは経験的に知られている。今泉氏は、区分滑らかな関数に対して、最小二乗法、Bayes法による推定量の誤差レートと推定のミニマックスレートを評価することにより、deep neural networks の良さを理論的に正当化することに成功した。極めて複雑な高次元問題に対して、洗練された高度な数学を用い、明快な結論を導いた本論文は細谷賞にふさわしいものである。  
茂木氏は、欠損がある回帰モデルに対して、コピュラに基づく推測方法を提案している。コピュラをセミパラメトリックにモデル化し、カリブレーションを使って回帰平面を推定している。推定量の漸近理論も導出され、実データへの実証研究も示されている。欠損値という応用上重要かつ困難な問題に対する貢献は受賞にふさわしい成果である。

2021年7月8日   
細谷賞選考委員会               
委員長 照井伸彦(東北大学)         
委員  大屋幸輔(大阪大学)         
委員  新谷元嗣(東京大学)         
委員  松田安昌(東北大学)         
委員     山形孝志(University of York,大阪大学)
委員    Peter M. Robinson(London School of Economics and Political Science)

今泉允聡氏略歴
2011/03 東京大学文学部卒業
2017/03 博士(経済学, 東京大学大学院経済学研究科)
2020/04 東京大学大学院総合文化研究科准教授

茂木快治氏略歴
2008/03 早稲田大学政治経済学部卒業
2014/05 PhD in Economics (Dept. Economics, The University of North Carolina at Chapel Hill)
2020/04 神戸大学大学院経済学研究科准教授