基礎ゼミ「構造改革と日本経済」の進め方について

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更新:2002423

 

川端 望

 

<シラバスを一部修正>

■授業の目的と概要

 日本経済のいわゆる「失われた十年」とは何であったのか。小泉内閣のもとで進められようとしている構造改革とはどういう中身をもっているのか。それは日本経済・日本社会をどのようなものへつくりかえようとしているのか。こうした点を、経済学の観点を軸としつつ、できるだけ広い視野から検討する。

 

■学習の到達目標

 ・日本経済について各自が自分なりに、かつ一定の根拠を持って考えられるようにする。

 ・本や資料を丁寧に読む訓練をする。

 ・調査と発表の訓練をする。

 ・異なる見解をぶつけあって討論し、認識を深める訓練をする。

 

■授業の内容・方法と進度予定:

 テキストにもとづいて、あるいはレポーターのテーマ別調査報告に基づいて議論する。例えば、経済停滞の原因、不良債権問題、特殊法人、公共事業、社会保障、雇用問題、対外援助等々のテーマを取り上げる。

 演習(ゼミナール)形式をとる。いくつかの班に分け、レポーター班が報告→レポーター班とコメンター班が論点を出す→討論、という順序で進行する。

 

■成績評価方法:

 当初レポート20%、テキスト報告20%、研究報告30%、最終レポート30%で評価する。最終レポートは冊子として印刷し、Webでも公開する。

 

■教科書および参考書:

 金子勝・木村剛・宮崎哲弥『日本経済「出口」あり』春秋社、2001年を使用する。

 

■その他

 報告をまとめることができて、討論に参加できて、レポートを書けるようになると、どこへいっても役に立つでしょう。

 受講し始めてからでもよいので、電子メール、ワープロ、表計算を使えるようになってください。

 

<以下オリジナル>

■教官連絡先

研究室:経済学研究科棟6618号室

Tel&Fax 022-217-6279

http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/index.htm

主要な文書はウェブサイトに掲載する。

 

■メーリング・リストの作成

あるアドレスにメールを送ると全員に同一メールが届くしくみ。

アドレスは川端が管理し、基礎ゼミ、事務、大学自体と関連団体(経済学会、同窓会等)の業務にのみ使用する。学外に流出させない。

 

■オフィス・アワー

アポイントなしに教官研究室に質問や相談に来てよい時間のこと。当面は月曜日5校目とする。

 

■進め方

1.日本経済の何が問題か。読書と討論

1-1.『日本経済「出口」あり』を読む

各自読んで現時点での感想、意見、疑問などを3000-6000字でまとめること。すべて印刷して全員に配布して、各自討論の参考にする。ワープロ打ちを強く推奨する。手書きの場合は丁寧に書くこと。サイズはA4版とする。

・ワープロ打ちの場合は、5717時までにディスクで川端研へ提出するか、同日深夜までに電子メールで送信すること。

・ワープロ打ちの付属図表が切り張りの場合や本文が手書きの場合は、5月7日17時までに川端研へ提出すること。

1-2.『日本経済「出口」あり』を解読する。

◇報告班

まず、著者が言っていることの趣旨を要約してレジュメにまとめる。

例:テーマ別にまとめる。著者別に(金子の主張:木村の主張)まとめる。話の流れに沿ってまとめる。

用語の意味や趣旨のわからないところをよく調べて、レジュメにまとめる。

報告の際に、3人の意見の同一点、相違点に気をつけて報告し、これに対してさらに自分はどう思うかを述べてみる。

特に疑問が残った点、話し合ってみたい論点を提起する(レジュメに列挙する。それに対する回答まで調べた場合は、それも書いておく)。

 

◇コメント班

わからないことを、調べずに質問してよい。

 

◇司会班

司会進行をする。

@報告班に報告させる。論点も提出させる。

Aコメント班に質問を列挙させる。

Bまとめられる論点・質問はまとめ、順序よく議論していく。

 

2.より進んだ調査研究

テキストに関連するテーマを決めて、班毎に報告する。

 

3.最終レポート

日本経済について自分でテーマを設定し、論じる。

 

■班での勉強の仕方(報告班の例)

発表の2週間前まで:第1回ミーティング

レジュメ書きの内容、分担を決める。論点も見当をつけておき、必要な調査事項を分担する。

調べる

発表の1週間前まで:第2回ミーティング

提出論点を決める。わからないことが残っている場合、この時点までに教官などにきくなどして、追加調査の実施内容・分担を決めないとまにあわない。

さらに調べる

当日:発表

 

■教官によるサポート

川端研究室の本は随時貸し出すので、所在の有無についてはメール等で問い合わせること。

必要な本が図書館にないことがわかり、かつ5000円以下の本であれば研究費で購入する。購入までかかる時間はまちまちなので、授業の2週間前に連絡すること。立て替えは不可。

大量の資料コピー(100枚以上)が予想される場合は申し出てくれれば研究費でコピーする(作業は諸君が行う)。

レポートの印刷・製本費は研究費から支出する。

 

■班分け

(くじによる)

 

■当面のスケジュール

日付

内容

4/22

ガイダンス

(5/7)

(レポート提出)

5/13

テキスト第1章 報告A・コメントB・司会C

5/20

テキスト第2章 報告B・コメントC・司会D

5/27

テキスト第3章 報告C・コメントD・司会E

6/3

テキスト第4章 報告D・コメントE・司会A

6/10

テキスト第5・6章 報告E・コメントA・司会B

6/17

調査報告1/2 報告A・B 司会C

6/24

調査報告3/4 報告C・D 司会B

7/1

調査報告5   報告E 司会A

7/8

(予備日)(最終レポート提出)

7/15

最終討論会 司会〔教官〕

 

■参考1:Webでの簡単な文献サーチ

 

東北大学付属図書館

http://www.library.tohoku.ac.jp/

経済学部経済情報リンクページ

http://www.econ.tohoku.ac.jp/kyoulink.html#02keizai

検索可能なWeb書店(各種あり)(単行本検索可能)

amazon.co.jp

http://www.amazon.co.jp/

本やタウン(生協提携)

https://www.honya-town.co.jp/index.html

OCU ERI-Biblio(日本語雑誌論文検索可能)

http://www.eri.osaka-cu.ac.jp/

 

■参考2:著者たちの別の論文・著書

上記Webサーチで発見できるので、いくつか読むことを勧める。

 

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2002年度授業・ゼミナール関連資料

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Ka-Bataホームページへ

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