川原 業三 (Tel: 022-288-8183; Email: kawahara@cir.tohoku.ac.jp)
50歳の新年を迎えて間もなく、声が枯れはじめた。「風邪だろう」と近くの内科医の診察を受けたが、なかなか良くならない。内科医が耳鼻科の診察を薦めたので、仙台市立病院で診察を受けたところ、「喉頭癌」との診察結果だった。大学病院を紹介されて入院、3ヶ月ほど放射線治療を受けたが結局、喉頭摘出手術となった。
「喉頭摘出すれば声が出なくなる・・・・・」覚悟を決めていると、仙台で喉頭摘出者の発声訓練をしている「立声会」の会長が見舞いに来て「大丈夫、話は出来るようになるよ」と自ら食道発声で激励してくれた。何度もの見舞いと激励に「よし、手術が終わったら食道発声だ!」と元気が出てきた。手術も無事終わり、退院後すぐに立声会が実施している独特の「5日間合宿訓練」に参加。3回の参加で食道発声出来るようになって職場に復帰した。それから15年間勤務を続け、定年退職したが、中国での製鉄技術指導生産管理指導を依頼され、毎年1〜2ヶ月中国に滞在して指導している。
「なんと、幸せなことだろう」「70歳を過ぎて、まだ仕事が出来ている」いま私は第2の声「食道発声」を与えてくれた仙台の立声会に深い感謝の念を禁じえないでいる。
いろいろ述べたが、仙台の「立声会」が実施している「合宿訓練」は5日間泊り込み発声訓練をするもので効率的に声を取り戻すことが出来たと思っている。この訓練は他県の方も対象にして行われているので、喉頭摘出者の方々にお知らせして「1日も早い社会復帰を」とお勧めする次第である。
@実施場所 | 宮城県心身障害者福祉センターで、このセンターに浴室、宿泊室、食堂が併設されている。 |
---|---|
A指 導 者 | 全員が宮城県内在住の喉頭摘出者で、女性指導員もいて、ほとんどマンツーマン方式で、食道発声のほか、電気発声も指導している。 |
詳細は下記にお尋ね下さい。
宮城県喉頭摘出者福祉協会
立声会
〒983−0836
仙台市宮城野区幸町四丁目6番2号
宮城県心身障害者福祉センター内
TEL & FAX 022--293-5305
訓練風景 修了者と指導員 |
||
筆者が中国で技術・管理指導中 |