「工業経済学特論」の成績について

 


発表日:200028(ホームページ掲載:210)

川端 望

 

 工業経済学特論の成績について、以下の情報を公開する。この情報公開は川端の判断によるものであり、他の科目に適用されるものではない。

成績評価方法

 従来から通知してきたとおり、レポートに65点配点、小報告に20点配点、平常の質問・討議への貢献に15点配点で採点し、合計して100点満点で60点以上が合格である。成績記録は優、良、可、不可の4段階でおこなわれ、80点以上が優、70点以上80点未満が良、60点以上70点未満が可、60点未満(不合格)が不可である。

レポートの採点結果についての情報公開

受講者:15名(うち履修届提出者14名、自由聴講者1名)
レポート提出有資格者:14名
レポート提出者:13名
課題選択分布:以下の通り

「市場の失敗」の様々なタイプについて解説せよ。規模に関する収穫逓増が存在するケースについては必ず含めること

経済学の見地から見た場合、企業とはどのような存在であり、その存在根拠はどのように説明され得るか。近代経済学とマルクス経済学の両方、あるいはどちらか一方の体系に即して述べよ

ジャスト・イン・タイム生産とは何か。その目的と基本的なしくみ、特徴を述べよ

アメリカ自動車産業における大量生産システムの成熟と硬直化の過程について述べよ

世界の繊維産業におけるQRSの潮流とクリエーションの潮流について説明した上で、日本の繊維産業が模索している戦略について述べよ

半導体産業における開発システムと生産システムの統合について述べよ

日本の大企業における能力主義管理の諸制度とその運用の実態について述べよ

日本企業の生産システムの今後の展望について、講義で学んだことを踏まえつつ、諸君の見解を述べよ

レポート採点結果の分布(65点満点で52点以上を優、45.5点以上52点未満を良、39点以上45.5点未満を可とみなした場合)

 「優」相当:6名
 「良」相当:7名

◇講評

 レポートの評価にあたっては、(1)広範な資料・文献にあたっているかどうか、(2)資料や文献をもとにしながら、課題に適合した説得的で整合的な見解をまとめているかどうか、(3)資料や文献をもとにしながら、自己の解釈や評価をどれほど表現しているか、に留意した。
 全般的に、期日直前にあわてて仕上たと思われるレポートが多く、満点(65点)の90%を与えられるものはなかった。
 特徴としては、大きく二つの傾向がみられた。ひとつは、(2)では優れているが(3)に欠けている傾向である。つまり、文献をベースに要領よく課題への回答をまとめているが、自己の解釈や評価が薄いのである。この傾向のレポートについては、満点の75%程度を中位として評価した。その上で、課題に対して回答が対応している程度、資料・文献を広く調べた形跡によって評価した。もうひとつは、(3)ではすぐれているが(2)に欠ける傾向である。つまり自己の見解を懸命に出そうとしているのだが、論理的整合性や説得力を欠くのである。この傾向のレポートについては、自己の見解を表現しようとした努力に鑑み、満点の70%程度を最低として評価した。目安としては、「要領よくまとまっているが、大部分がある一つの論文から抜き出されているもの」と、「色々な情報を検索して自己の見解をまとめようとしたが論理的整合性に乏しいもの」が等しい程度になるようにした。

最終成績についての情報公開

 最終成績の採点結果は以下の通り。

受講者:15名(うち履修届提出者14名、自由聴講者1名)
合格者:13名
 優:7名
 良:6名
 可:0名
不合格者:0名
履修放棄者:2名

 ある時期以後、無断欠席を続けている1名については、本来不合格にすべきであるが、履修放棄の方法を事前に伝えていないことを考慮し、履修放棄とみなすことにした。

 

以上


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