工業経済学特論(経済学研究科・1999年度)工業経済学特殊講義(経済学部・1999年度)シラバス


 

授業のねらい・内容

 現代日本企業の生産システムについて講義をおこなう。1980年代に称揚され、1990年代にはその問題点が指摘されている日本企業の生産システムについて、実態に即した再検討をおこなうこと、バブル崩壊前後の連続性と非連続性を明らかにすること、次世代生産システムを展望することを目的とする。さらに、生産システムを労務管理の側面からとらえ、特に日本社会の歴史的条件との関わりでの理解を深めることもねらっている。

 

内容

生産システム論の現在

日本的生産システム論の生成/トヨタ生産方式/ポスト・フォーディズム論争/要素的把握と循環的把握/生産システム論の多様な文脈

アメリカ大量生産の成熟と変容

フォード・システムの形成と変容/産業別労働組合との妥協/労使妥協の動揺とリストラクチャリング/チーム・システム

日本企業の生産システム

総論 戦後経営史の画期と生産システム/繊維産業の転換と新生産システムの模索/高炉メーカーの生産システムと競争戦略/自動車部品サプライヤとTQC/工作機械メーカーの製品開発システムと販売・サービス活動/半導体メーカーの開発・生産システム

日本企業の労務管理

能力主義管理のしくみと実際/「新・日本的経営」の提唱と実際/労働運動と賃金・処遇問題

 

講義形式は、参加人数によって判断する。

 

テキスト・参考書

坂本清編著『日本企業の生産システム』中央経済社、1998年(メインテキスト)。

坂本清・貫隆夫・宗像正幸編『現代生産システム論』ミネルヴァ書房、近刊。

鈴木良始『日本的生産システムと企業社会』北海道大学図書刊行会、1994年。

野村正實『終身雇用』岩波書店、1994年。

遠藤公嗣『日本の人事査定』ミネルヴァ書房、近刊。

 

成績評価の方法

平常の成績とレポート。

 


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