工業経済学演習T(経済学研究科・1999年度)シラバス


 

テーマ

 アメリカにおける大量生産システムの形成史

 

授業のねらい・内容

 前半は、アメリカにおける大量生産の形成史を学ぶ。今日、「大量生産の限界」や「ポスト・フォーディズム」といった命題がしばしば語られる。しかし、大量生産の起源や形成史については様々な議論があり、特にハウンシェルの研究は一つの頂点を示すとも言われている。その達成を学ぶことは、工業経済・工業経営研究にとっても重要な意義を持つ。

 後半は、工場見学・企業研究を中心に行なう。事前調査、工場見学、企業訪問、事後の記録・解題作成をおこなう。工場見学は、宮城学院女子大学黒滝ゼミナールと合同で実施する予定である。昨年は、日産自動車いわき工場、追浜工場、NKK京浜製鉄所を見学した。

 

テキスト・参考書

<前半テキスト>

デーヴィッド・ハウンシェル(和田一夫ほか訳)『アメリカン・システムから大量生産へ 1800-1932』名古屋大学出版会、1998年。

David Hounshell, Planning and Executing 'Automation' at Ford Motor Company, 1945-65, in Haruhito Shiomi and Kazuo Wada eds., Fordism Transformed, Oxford University Press, 1995.

<前半参考書>

森杲「世界経済史のなかのアメリカ」『経済と経営』(札幌大学)24巻第2号、19939月。

森杲・鈴木良始・中本和秀「アメリカ型生産システムの源流(1)(5)」『経済と経営』(札幌大学)24巻第3号、4号、第25巻第1号、2号、3号、199312月〜199412月。

森杲『アメリカ職人の仕事史』中公新書、1996年。

鈴木良始「アメリカ大量生産システムの成熟と変容」(坂本清・貫隆夫・宗像正幸編『現代生産システム論』ミネルヴァ書房、1999年)

東京大学社会科学研究所編『20世紀システム2 経済成長T基軸』東京大学出版会、1998年。

 

成績評価の方法

ゼミ、工場見学・企業研究における貢献。報告準備、レポートの作成などをきちんとおこなうことが必要条件である。

 


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