「企業論」講義レジュメ(2000年度東北大学経済学部)


update:2000/10/31

川端 望

はじめに

◇連絡事項

教員のプロフィール、研究内容などは上記アドレスのホームページを参照。このレジュメなど、配布資料のコピーもできるだけ公開する。

◇一般的注意事項

 別紙

◇シラバスから若干変更した構成

 第1部 企業の理論

  T はじめに

  U 新古典派ベースの新制度派による企業論

  V マルクス経済学による企業論

 第2部 198090年代における生産システムの理論と実証

 第3部 現代日本の労使関係

◇大学院と学部の講義について

 

1部 企業の理論

I はじめに

1 生活感覚から見た企業

■財・サービスのサプライヤーとしての企業

■はたらく場所としての企業

 手段としての企業

  生計

  ステータス

 目的実現の場としての企業

  仕事が生きがいである可能性

  ベンチャービジネス

 支配者としての企業

  日立製作所残業拒否事件

■社会的存在としての企業

 金融問題とコーポレート・ガバナンス

 食品異物混入問題

2 経済学から見た企業

(1)経済学にとって企業とは何か

■経済学の抽象モデルの中に企業は存在しているか

 新古典派にとって

 マルクス派にとって

■制度の経済学の様々なまなざし

 効率性基準かそれ以外の基準も含めるか。正義や公平はどう取り扱うか。

  新古典派・新古典派ベースの新制度派VS制度派・マルクス派

  例:雇用における差別

 行為の合理性をどの程度仮定するか。慣習や価値観、無意識の衝動などはどう取り扱うか。

  新古典派VS新古典派ベースの新制度派VS制度派

  例:ヴェブレンの顕示的消費論

  マルクス派はあいまい

 経済的取引を対等・平等なものと想定するかどうか。権力の役割はどうか。

  新古典派・新古典派ベースの新制度派VS制度派・マルクス派

  例:労使関係

 集団を個人に還元できると考えるかどうか

  新古典派VS制度派

  新古典派ベースの制度派は、論者によって異なる

  マルクス派は複雑な理論構造であり、解釈もわかれる

   例:経済的構造の優位論(ホーリズム)と所有に基づく支配論(アトミズム)

■振動する政策論的まなざし

 近代経済学

  制度設計・制度改革の視点

   市場の不完全性→「制度設計が必要だ」

   自由放任→市場の失敗→「合理的な制度設計が必要だ」

  自由放任の視点

  市場の不完全性→「自由化すべきだ」

  現存する制度の合理性→「自由放任しておいてよい」

 マルクス経済学

  資本主義の本質論的認識(……は資本の本質に由来する)

   「資本主義を廃止しなければならない」

   「資本主義であればこうなるのが必然的で合理的だ」

  中範囲理論

   部分的抵抗と譲歩論

   資本主義のままでの制度・政策論

■この講義で解説する理論

 新古典派ベースの制度派

 マルクス派

(2)問題設定と基本視角

■問題設定

 「経済システムを形成する諸個人にとって、企業とはどのような存在か」

 「なぜ、多くの経済活動が、距離を置いた市場取引ではなく、企業の内部で行われるのか」

 「契約関係をデザインしそれを維持することにはどんな問題があるのか、またそれらの問題はどのように解決できるのか」

 「雇用、給与、昇進の仕組みは、従業員や役員の生産性にどのような影響を与えるのか」

■基本視角

 制度によるコーディネーションと動機づけ

 企業行動の複数の経路

II 新古典派ベースの制度派による企業論

1 方法的前提と分析基準

(1)方法的前提

■自己利益を追求する個人をアクターとする。

 企業行動の原動力を最終的に個人の欲望に還元

 その二通りの含意

 組織の目的論的理解の排除

■契約の束(nexus)としての企業

 各種の取り決めおよび個々の組織構成員相互の間の合意の集合

■分析単位としての取引

 一個人から他の個人への財・サービスの移転

(2)分析基準

■組織のパフォーマンスを判断する基準としての効率性

 関係するすべての個人の目標と選好を基礎として、すべての個人がもっとも望ましいと思う選択肢がほかに

 存在しないような状況(パレート効率性)

 効率性原理

  人々が十分に話し合うことができ、その決定をきちんと実行し強制できるなら、経済活動の結果は効率

  的となる

 価値最大化原理

  資産効果:資産額の変化に基づく選択の変化

  資産効果がなければ生産問題と分配問題を分離できる=資源配分が効率的になるのは、当事者たち

  の総価値が最大化される場合に限られる。

■完全な市場メカニズムとは?

  継続雇用の不要性

  あらゆる作業の個人単位への分解

  価格以外の情報の不要性

 →では、なぜそのような世界に現実にはならないのか?

2 取引費用アプローチによる企業論

■取引費用:コーディネーションと動機づけに必要な費用

 コーディネーションに必要な費用

  取引相手を探し、ニーズを確認し、取引を進めやすい場所を特定する等々

 動機づけに必要な費用

  情報の不完備と非対称への対処

  不完全なコミットメントへの対処

 これらの費用が発生する原理については、後述する

■取引費用の節約という観点

 前提:技術と生産費が所与

 取引費用の節約という観点から市場取引か内部取引かが決まる。

  単一の代表者が存在して、その代表者が他のすべての生産要素供給者と長期契約を結ぶことにより組織

  化がおこなわれ、かつ外的条件の変動に対して、代表者が行なう指示を他の参加者が受容する形で適

  応がおこなわれるとき、その様式は企業と呼ばれる(浅沼萬里によるコース解釈)

  企業の特質は、価格メカニズムにとって代わることにある

  ↓

 市場と組織の境界は取引費用を最小化するように決まる

■取引費用を左右する取引の性質

 資産特殊性

  特殊な利用や関係の下で、他の場合に比べて価値が大きくなる資産の存在。

  企業特殊的技能など。

 取引の頻度と継続期間

  長期継続取引による調整費用の節約など

 不確実性と複雑性

  サーチ、マッチングの複雑性

 業績測定の難しさ

 他の取引との連結性

■取引費用アプローチへの疑問

 分解不可能なチーム作業

 生産費用と取引費用の区別

  垂直統合か外注かの選択が、技術変化による生産費用の変化を伴うものであると、もはや取引費用アプ

  ローチだけでは論じられない

  垂直統合や外注のあり方によって、所有権のあり方やコミュニケーションの構造が変化し、変化の仕方が

  複雑または不確実である。

 技術は所与か選択肢か

  スイッチング・コストによる履歴効果

  統制手段としての技術

3 市場の失敗と組織によるコーディネーション

(1)外部性

■外部性の存在

 外部性:ある経済主体の活動が、価格システムを通じないで他の主体の経済厚生に及ぼす影響

  正の外部性の例:科学理論や基礎技術のスピルオーバー効果。地域開発

  負の外部性の例:公害。地域開発。

■政府の政策による解決と当事者間の交渉による解決

 政府の政策による内部化

  公共財の理論

 コースの定理による内部化

  前提

   所有権と権利関係が明確に定義されている

   資産効果が存在しない

   取引費用がない

  所有権と賠償責任が当事者間にどのように割り当てられていようとも、当事者間の交渉によって同じ効率

  性(価値最大化)を達成できる。

 コースの定理の問題点

  直接に適用しようとすれば、前提が非現実的すぎる

(2)規模に関する収穫逓増

■規模の経済

 生産規模を拡大したときに、単位あたり生産費が安くなる

 固定費の存在によるケース

 技術的な理由によるケース

  例:装置産業における規模の経済

■範囲の経済

 財やサービスを別々の生産者が生産するよりも、同一生産者が生産したほうが単位あたり費用が安くな

 る

■学習の効果

 学習により、ある財・サービスの累積生産量の増大に伴なって単位あたり生産費が安くなる

 例:半導体産業

■連結の効果

 複数の財・サービスの間の連結性の存在により、自己再強化的に需要が拡大する

(3)組織によるコーディネーション

■組織による決定が合理的なケース

 デザイン問題

  最適解における変数間の関係について多くの事前的な情報があり、しかも望ましい関係を実現できなか

  ったときのコストが、他の間違いの場合よりも多くかかるような意思決定問題

 イノベーション(革新)

  シュムペーターによるイノベーションの経済学的位置付け

  イノベーションの種類

■企業と組織的なコーディネーション

 企業の規模と構造

 コア・コンピテンス

 イノベーション

 ルーチンによる意思決定

■補完性とシステム

 補完性:ある経済活動の水準を高めたときに、他の活動の限界収益が高まるか、少なくとも低下しないような

 関係

 補完性のある要素が同時存在することによる効果

  生産システムの意義

   例:多品種生産のための生産システム

  経路依存性

■コメント:効率性基準の限界?

 個々の決定に立ち入ってイノベーション、ルーチンによる決定、補完性などを組み入れると、合理的選択に

 よる効率性という基準の有効性は怪しくなる

  アトランダムな試み

  ベンチマーキングや模倣

  企業者のビジョンによる決定

4 限定合理性と私的情報

(1)契約の問題

■完備契約の不可能性

 完備契約

 個人の利益と社会の利益の不一致の可能性

 →動機づけ問題

■限定合理性と機会主義的行動

 契約を不完備にする限定合理性

  現実的な仮定としては、将来の不測事態をすべて予見したり、最適な行動を計算にいれたりすることはで

  きない

   予測不可能性

   計算費用

   言語の本来的な不正確性

 機会主義的行動

  契約に制約されていない状況での自己利益追求が、ときに約束違反とみなされる

■不完備契約

 スポット契約

  広範囲にわたる状況に対して一括適用される包括的条項を用いた契約

 関係的契約

  当該関係の一般的条項と目的を定め、また意思決定や紛争解決についてはその方法だけを定めている

  契約

 暗黙の契約

  法的効力はないが、当時者間でお互いの行為を拘束しあっていると考える共通の理解

  問題点:説明における「魔法の杖」

(2)特殊的資産をめぐる問題

■特殊的資産

 共同特化した資産

 企業特殊的技能

 特殊な部品生産のための専用設備

■ホールド・アップ問題

 投資がサンクとなった後で不利な条件をおしつけられる問題

  完備契約ならばホール・アップ問題は発生しない

  特殊的資産に起こりやすい

 ホールド・アップ問題を防止・軽減するしくみ

  所有による解決

  評判・信頼・依存

(3)私的情報と契約前の機会主義

■私的情報の利用

 売買交渉における私的情報を利用した虚偽の表明のケース

  私的情報がなければ成り立つはずの取引が成り立たなくなる

 逆選択

  保険商品の例

  信用関係の例

 虚偽の表明とグレシャムの法則の背景

■契約前の機会主義を防止するしくみの例

 信用割り当て

 シグナリング

 スクリーニング

5 モラル・ハザードと業績インセンティブ

■モラル・ハザード

 保険商品の例

 逆選択との違い――契約前か契約後か

 発生の根拠:契約相手の、適切と想定される行動の監視や強制が難しく、コストを伴なうため

 語感に関する注意

■プリンシパル・エージェント(本人・代理人)関係

 エージェントはプリンシパルの目標を遂行すると想定されている

  エージェントが自己利益を追求する

  エージェントの行動の監視・強制が容易でない

 金融システムにおけるモラル・ハザード

 雇用関係におけるモラル・ハザード

 株式会社における所有と経営の分離

■モラル・ハザードのコントロール

  モニタリングと検証の強化

  明示的なインセンティブ契約

   業績給の問題の解釈

   年功賃金の問題の解釈

  所有による解決

■インフルエンス活動

■疑問点:プリンシパルのまなざしは絶対か?

 保険において

 雇用関係において

 コーポレート・ガバナンスにおいて

6 小括

 経済学をベースにした比較制度分析の可能性とその問題

  多様性の認識か、経済学帝国主義か?

  技術と組織のダイナミズム

 

◇U章参考文献(邦訳のあるものは邦訳のみを記す。以下同じ)

ミルグロム,ポール&ロバーツ,ジョン(奥野正寛・伊藤秀史・今井晴雄・西村理・八木甫訳)_組織の経済学_NTT出版_1997/11(特に第2、3)

Milgrom, Paul and Roberts, John_The Economics of Modern Manufacturing: Technology, Strategy, and Organization_American Economic Review, 80_1990/06

コース,ロナルド・H(宮沢健一・後藤晃・藤垣芳文訳)_企業・市場・法_東洋経済新報社_1992/10

ウィリアムソン,O・E(浅沼萬里・岩崎晃訳)_市場と企業組織_日本評論社_1980/11

シュムペーター,J=A(塩野谷祐一・中山伊知郎・東畑精一訳)_経済発展の理論:企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究()()_岩波書店_1977

塩澤由典_複雑系経済学入門_生産性出版_1997/09

浅沼萬里_日本の企業組織 革新的適応のメカニズム:長期取引関係の構造と機能_東洋経済新報社_1997/06

宗像正幸_「日本型生産システム」論議考:その含意をさぐる_『国民経済雑誌』(神戸大学)第174巻第1_1996/07

藤本隆宏・西口敏宏・伊藤秀史(編)_リーディングス サプライヤー・システム:新しい企業間関係を創る_有斐閣_1998/01

金子勝_ 市場と制度の政治経済学_ 東京大学出版会_ 1997/09

バーリ,アドルフ・A/ミーンズ,ガーディナー・C(北島忠男訳)_ 近代株式会社と私有財産_ 文雅堂_ 1958

パガノ,ウゴ(西部忠訳)(横川信治・野口真・伊藤誠編著)_情報技術と組織的均衡の多様性(『進化する資本主義』)_日本評論社_1999/02 

 

III マルクス経済学による企業論 資本・賃労働関係を中心に

1 方法的前提と分析基準

(1)マルクス経済学をどう使うか

■大仮説としての唯物史観

 積極面

  歴史的システムとしての資本主義

  生産力を直接に社会科学の対象とする

 消極面

  さしあたっての基準にならない

■中範囲理論

 「資本主義か、社会主義か」でなく「どのような資本主義か」

  繁栄と停滞の移り変わり

  国民経済別・地域別の差異

 資本と国家だけでなく、技術・労働・企業への注目

 レギュラシオン理論、蓄積の社会的構造(SSA)理論などがすでに実績をあげているが、ここでは経済原論

 のレベルで、企業論につながる契機を考える。マルクスに対する拡大解釈や修正を含むことは当然であ

 る。

■様々な取引の理論としての資本論

 労働力、典型商品、資本、土地について各々別々の理論があり、一括できない

  本講義では、労働力の問題に絞って話す。

 対等な交換と資本の搾取と権力の両立

  価値法則(等価交換)と剰余価値生成の両立。

  個々の取引において資本の権力が貫徹するわけではない

(2)物象化と物神性

■商品形態における物神性

 社会システム発生の起点は諸個人の労働である:個人の優位α

 商品交換というフィルターを通すと、人と人との関係が、モノとモノとの関係としてあらわれる。

  私的労働の社会的性格は、交換を通して確証される

  労働連関は商品連関としてあらわれる

 商品相互の価値関係と交換が自明の必要性となり、個々の人間はその従属変数に:システムの優位

 しかし、建前としては、自由な個人が各自の所有物を自由に処分している:個人の優位β

■貨幣物神と資本物神

 貨幣と資本は自然物のような存在か?

  貨幣はどのような商品とも交換される

  資本は一定の価値増殖をする

 個々の当事者が自由にルールを設定したからではなく、システムによって所与とされている

  形態:個々の所有者の欲望→価値創出

  実体:価値創出をしなければならないというシステム的制約→経済主体の行動

2 価値増殖と蓄積

(1)資本の人格化としての法人企業

■資本の蓄積と循環

  価値増殖体としての資本→ゴーイング・コンサーンとしての企業

  分析基準としての資本蓄積(←→新古典派ベース制度派:取引の効率性)

   蓄積:剰余価値の資本への転化。それによる資本の増大。

   基本モデルにおいて蓄積による資本の拡大を想定

   保留:蓄積と貧困問題。価値判断問題

■資本の人格化としての法人企業

 労働者・経営者・株主に還元されないアクターとしての企業それ自体の成立(←→新古典派ベース制度派:

 組織の個人への還元)

 「経営者支配」が典型であり、株主支配が特殊とみなされる。

(2)労使関係の前提条件

■直接生産者と生産手段の分離

  私的所有者への生産手段の集中

  二重の意味で自由な労働者

   人格的自由

   生産手段からの自由

  →生産手段所有者が労働者を雇う形式の成立

  両者の関係の再生産(後述)

(3)労働力商品の特殊性と価値増殖の制度的調整

■生産過程の特殊性

 労働の生産物ではないので、典型商品のような生産調整ができない

■売買過程の特殊性

 労働力所有者は、つねにただ一定の時間を限ってのみ労働力を売る

 契約しただけでは労働力の使用価値(=価値を生む)は買い手の手中に移らない

■消費過程(=労働過程)の特殊性

 資本家もしくは企業の管理下での労働=生産過程における権力の不均等

 生産物は資本家もしくは企業の所有物であり、労働者の所有物ではない

  賃金は収益分配ではなく労働力商品の対価であり、労働者は生活必需品を資本家もしくは企業から買

  い戻す

■剰余価値生産の不確実性と制度

 剰余価値生産の大きさは、資本家が労働者に、必要労働を超えて剰余労働をおこなわせることのでき

 る程度に依存する。この大きさ(剰余価値率)は、価格メカニズムでは決定されない。

  資本家の管理の権力的優越と労働者の抵抗、労使関係の諸制度

 新古典派経済学における「賃金=労働の限界生産性」のような均衡点が、抽象モデルに存在しない

■内在化された失業

 失業が内在化されたモデル

 労働者は、自分の労働力を売る以外の選択肢が極度に限られている。

  雇用か失業か。強い資産効果。

 失業者の存在の二つの意味

  資本家ないし企業によるホールド・アップ

  失業者の生存は雇用関係以外の制度によって保障されている(自営業、社会政策、非営利組織)

(4)機械制大工業におけるコーディネーション

■資本主義の至上命題としてのイノベーション

 労働時間延長の限界→生産性向上による労働力価値の切り下げの必要性

 生産を行なうのは労働者だが、指揮をとるのは資本家である

  マルクス的理解

  シュムペーター的理解

■機械制大工業における分業構造

 機械の利用と階層的分業構造が不可分(←→多数が自営業者でもありうる新古典派モデル)

  チーム作業とゴーイング・コンサーンの想定

マルクスにおける技能の変容と労働者へのまなざし

手工業者             マニュ労働者         大工業労働者(圧倒的多数)    (可能性)

(手工的熟練)       細目的熟練         熟練排除                    (→どんな作業もできる全面的に発達した労働者)

■『資本論』のどこをどう修正・拡張するか

  オペレーターの労働者は大多数か

   保全労働者、技術者、ホワイトカラーの比重。

  分業は純粋に技術的に決まるか

   家族関係、ジェンダー関係。

  組織と生産力の問題

  熟練・技能は解体しつくされるか

 労働者へのまなざし ―大仮説か中範囲か―

  大仮説:資本主義自体の止揚

  中範囲:資本主義のままでどのような多様性がありうるか

3 小括

 制度の経済学としてのマルクス経済学の可能性

 

◇参考

マルクス,カール(資本論翻訳委員会訳)_資本論_新日本出版社_(第1部第1-4編)

金子勝_市場と制度の政治経済学_東京大学出版会_1997/09

平野厚生_労働力商品の基本問題_高文堂出版社_1984/09

平野厚生_労働力の特殊な商品形態について_『東北大学教養部紀要』第41(U)_1984/12

服部文男(原田三郎編)_『資本論』成立過程における「階級闘争」・「国家」(『資本主義と国家』)_ミネルヴァ書房_1975/12

野口真_構造主義理論の展開とマルクス経済学:ボブ・ローソンの新著に寄せて_『季刊経済と社会』第3号、創風社_1995/05

ボウルズ,S/ギンタス,H(野口真訳), 資本主義経済における富と力:対抗的交換の視点から, 『経済セミナー』19985月号、日本評論社, 1998/05

野村正實, 熟練と分業:日本企業とテーラー主義, 御茶ノ水書房, 1993

有井行夫, 株式会社の正当性と所有理論, 青木書店, 1991/03

IV 小括

■企業行動の把握のポイント

市場の専一性の限界

企業行動の制度的把握

企業行動の複線的把握


企業論レジュメ目次へ


授業・ゼミ情報へ


Ka-Bataホームページへ


経済学部ホームページへ