2000年11月8日(増補版)(11月14日、下線を追加。文章は同じ)
川端 望
企業論のレポート課題を提示する。次の九つの問題から一つを選択して、レポートを作成せよ。
1. ロナルド・H・コース「企業の本質」(宮沢健一ほか訳『企業・市場・法』東洋経済新報社、1992年、所収)を読み、論旨を要約した上でコメントせよ。
2. ポール・ミルグロム&ジョン・ロバーツ『組織の経済学』(奥野正寛ほか訳、NTT出版、1997年)第2〜16章のうちから1章を選び、論旨を要約した上でコメントせよ。
3. 取引費用アプローチによる企業論について説明し、その意義と限界について述べよ。
4. 規模に関する収穫逓増が生じる主要なケースを説明し、それが企業論にとって持つ意味について述べよ。
5. 完備契約が不可能であることから、どのようなインセンティブ問題がどのように発生するかを述べよ。
6. 法人企業を「資本の人格化」とみなすことが、マルクス経済学に独自な理論的特徴とどのように結びついているかを述べよ。
7. 労働力商品の特殊性と、それが資本・賃労働関係のコーディネーションに与える影響について述べよ。
8. 森永卓郎『リストラと能力主義』講談社現代新書、2000年、を読み、講義内容を踏まえてコメントせよ。
9. 奥村宏『株式会社はどこへ行く』岩波書店、2000年、を読み、講義内容を踏まえてコメントせよ。
50点満点とする。期末試験も50点満点とし、あわせて100点満点で単位を認定する。60点以上が合格である。
提出期限:12月22日(金)午後5時。
提出先:ハードコピーは経済学部教務掛。メールは教官アドレス
(kawabata@econ.tohoku.ac.jp)。
分量:自由。
書式:@ハードコピーの場合は、A4用紙・横書き・ワープロ打ちとする。問題番号、学籍番号、氏名を明記すること。A電子メールによる提出を受け付ける。期限までに教官のアドレスへ送信すること。午後5時送信まで可。なお、事故で届かなかった場合については、教官は責任を負わない。事故防止のため、教官は受け取り次第、確認メールを送る。確認メールが来なかった場合は、事故で届かなかったと判断すること。ディスク、FAXによる提出は受け付けない。ファイル形式は、テキストまたはWindows版Wordとする。
点数:1月半ばまでに発表する。個人名は出さずに、学籍番号と点数を併記して掲示する。
返却:レポートは返却しないので、必要な場合はコピーを取っておくこと。
評価は、主に対象テキストに対する正確な理解、問題の掘り下げの深さ、主張の明解さ、論旨の整合性、説得力、によっておこなう。分量それ自体は評価しない。
「講義内容を踏まえる」とは、教官の意見に賛成するという意味ではなく、講義内容を無視しないということである。講義内容や対象テキストの内容を理解した上で、諸君の独自の見解を述べることはおおいに望ましい。
文章が極度に類似しているレポートは減点することがある。これは、他人のレポートを写した場合に加えて、文献の丸写しも低く評価するという意味である。
第1群の問題は難易度が高いので、素点に7点をプラスして評価する。なお、この場合、最高点は57点となる。
対象テキストは、生協に入荷申請しておく。
単行書の一部をコピーすることは構わないが、全ページコピーをしないこと。
以上
※下線部は、プリント版の初刷りにない部分である。