「経済学部の授業に関するアンケート」(企業論)の結果について


掲載日:2001521

 

 私が担当した2000(平成12)年度企業論に関する回答結果は以下の通りであった。この情報公開は私個人の判断によるものであり、学部に共通の方針ではない。以下、集計結果とコメントを記す。

 

回答数:99(4年生46(46.5%)353(53.5%))

1.この授業にどれくらい出席しましたか。出席率の程度(%)を示してください。

(5)80%以上 49(49.5%)
(4)79-60% 28(28.3%)
(3)59-40% 16(16.7%)
(2)39-20% 4(4.0%)
(1)20%未満 2(2.0%)

1へのコメント

 まあ、こんなところではなかろうか。

 

2.講義内容を理解するために、予習あるいは復習をしましたか。

(5)した 2(2.0%)
(4)どちらかといえばした 8(8.1%)
(3)どちらともいえない 19(19.2%)
(2)どちらかといえばしなかった 19(19.2%)
(1)しなかった 51(51.5%)
(0)わからない 0(0.0%)

2へのコメント

 2年前も書いたが、私は予習は不要、復習は必要な講義を行っている。予習はゼミと演習論文に全力を傾けていただきたい。

 

3.講義内容でわからないことがあったときに、どうしましたか(複数回答可)

(5)先生に質問した 3(3.0%)
(4)友人・先輩に尋ねた 25(25.3%)
(3)教科書・参考書等で調べた 26(26.3%)
(2)何もしなかった 44(44.4%)
(1)その他 2(2.0%)

3へのコメント

 「何もしなかった」が多く、また学部全体の36.8%より大きい。テキストのない講義だからこうなりやすいのだと思うが、問題であり、教官側から改善の手だてをとる余地がある。参考書は細かく記すようにしたが、それだけでは足りないのだろう。

4.説明は理解しやすかったですか

(5)理解しやすい 22(22.2%)
(4)どちらかといえば理解しやすい 44(44.4%)
(3)どちらともいえない 22(22.2%)
(2)どちらかといえば理解しにくい 6(6.1%)
(1)理解しにくい 4(4.0%)
(0)分からない 1(1.0%)

4へのコメント

 好成績といってよいだろう。ホッとしている。

5.声はよく聞き取れましたか

(5)聞きやすい 52(52.5%)
(4)どちらかといえば聞きやすい 31(31.1%)
(3)どちらともいえない 12(12.1%)
(2)どちらかといえば聞きにくい 4(4.0%)
(1)聞きにくい 0(0.0%)
(0)分からない 0(0.0%)

5へのコメント

 のどが痛くなっただけのことはあった。私は当学部の出身者なので、1,2番教室での聞こえない講義が催眠効果を持つことは知っている。

6.板書の文字や数式は読みやすかったですか

(5)読みやすい 33(33.3%)
(4)どちらかといえば読みやすい 27(27.3%)
(3)どちらともいえない 31(31.3%)
(4)どちらかといえば読みにくい 8(8.1%)
(5)読みにくい 0(0.0%)
(0)分からない 0(0.0%)

6へのコメント

 これも、私の本来の筆跡が人間離れしてひどいだけに、意識的に読めるように書いただけのことはあったかもしれない。

7.黒板、OHP、プリント、大型視聴覚設備等の使用は、講義の進行にとって適切でしたか

(5)適切であった 32(32.3%)
(4)どちらかといえば適切であった 29(29.3%)
(3)どちらともいえない 29(29.3%)
(2)どちらかといえば適切ではなかった 4(4.0%)
(1)適切ではなかった 2(2.0%)
(0)分からない 1(1.0%)

未記入2(2.0%)

設問7の理由

「プリント中心の授業でプリントがまとまっている。」「レジュメを作成してもらったのはありがたいのだが、配布せず教室後部におくというのは教室内に混乱が生じ時間もかかるだろうし賛成できない。大して手間はかからないだろうから配って欲しかった。」

7へのコメント

 それほど悪くはないが、自由記入欄を読むと、もう少し工夫の余地がありそうだ。レジュメが詳しいという意見と簡単すぎるという意見があるが、おそらく理論編のところが簡素すぎるのではないかと思っている。
 プリントの配布については、自由記入欄にも2カ所に置け、あるいは配れという意見がある。この問題は、配る手間と途中入室にある。配る手間については、今回、ティーチング・アシスタント(
TA)を雇えなかったのが失敗であった。次回以後、TAを雇って配ってもらうことである程度は対処したい。しかし、途中入室者には山から取ってもらうしかない。そして、教室の前方にのこのこやってこられては(しかも、足音にかまわない者が多い)、集中力を乱されることおびただしい。
 よって、
TAに配ってもらい、置き場は教室後部に限る、というのが当面の考え方である。

8.講義のスピードはあなたにとって適切でしたか

(4)適切である 37(37.4%)
(3)ほぼ適切である 48(48.5%)
(2)早すぎる 10(10.1%)
(1)遅すぎる 0(0.0%)
(0)分からない 4(4.0%)

8へのコメント

 2年前も書いたが、「早すぎる」という非難の嵐にならなかったのでホッとしている。学部全体では「早すぎる」23.8%だから、まあよかろう。

9.全般的に見て、この講義内容をどの程度理解できたと思いますか

(5)理解できた 5(5.1%)
(4)どちらかといえば理解できた 47(47.5%)
(3)どちらともいえない 27(27.3%)
(2)あまり理解できなかった 17(17.2%)
(1)理解できなかった 3(3.0%)
(0)分からない 0(0.0%)

10.この講義の内容はあなたにとって興味深いものでしたか

(5)興味深かった 18(18.2%)
(4)どちらかといえば興味深かった 44(44.4%)
(3)どちらともいえない 22(22.2%)
(2)あまり興味深くなかった 8(8.1%)
(1)興味深くなかった 7(7.1%)
(0)分からない 0(0.0%)

9と10へのコメント

 これらをどうみるべきかは難しい。さしあたり、「理解できた」「どちらかといえば理解できた」で52.6%であり、学部全体の41.9%よりは高い。また「興味深かった」と「どちらかといえば興味深かった」の合計も62.6%であり、学部全体の51.6%よりは高い。しかし、単に学問の性質や私の方法論の性質上、数理経済系より頭に入りやすいだけだったり、実は簡単すぎる内容を講義している、ということもありうる。逆に、ケース・スタディを取り混ぜた話が学生諸君にとって興味深かったということもありうる。
 とりあえず確認できたのは、JIT生産方式の構造とか、サプライヤー・システムにおける取引関係とか、熟練をめぐる論争とかの話が、ややこしすぎないかと危惧していたのだが、結構学生諸君が食いついてくれたと言うことだ。これは、学生諸君の水準という点から言っても、また産業・企業に関心をもってもらうという方向性の点から行っても、私には好ましいことである。

11.この講義室の環境は聴講するのに適していましたか

(5)強くそう思う 4(4.0%)
(4)そう思う 45(45.5%)
(3)どちらともいえない 35(35.4%)
(2)そうは思わない 12(12.1%)
(1)まったくそうは思わない 3(3.0%)
(0)分からない 0(0.0%)

設問11の理由

「聴講人数がちょうどいい」「寒い」「狭い」「座れなかった」「受講者の人数に対して、教室が狭かったと思う」「音響設備が貧弱。後ろの人は全く聞こえないだろう。何か後ろからざわつきが聞こえる。」「坐席がいっぱいで、座れないことが多々あった。場合によっては履習人数の制限も必要なのではないか。エアコン(暖房)が入る時期が遅い。寒かったです。」「教卓の横のドアの閉まる音が非常に大きい。」「椅子及び机が身体に合わない(小さすぎ)。」「人が多すぎる。」「暖房がきいていないので、とても寒かった。特に1時間目の講義。」「教室が狭くて、坐席を確保しづらい。」「席が足りない。」

11へのコメント

 最終回でも述べたが、教室を1番と入れ替えるべきであった。単に気がつかなったのである。この点はお詫びする。

 

■自由記入欄への記入

「なぜ教室を第一に変えてもらわなかったのか?同時間の第一の授業は空いているのに。せまい。」「レジュメは前後に置いて欲しい。途中からの人は後からのみ取るようにして。」「非常に興味深い内容で面白かった。但し、レジュメの説明がもっと長かったら、分かりやすかったような気がする。」「レジュメがよくできていてとても有り難がったです。ただここまで良くできたレジュメだとノートを取ろうというモチベーションが低下してしまうのが苦しいところです。ノートのデータがインターネットで公開されていたことも、自分のノートを作る上でとても役に立ちました。レポート結果の公開については今のままでも良いと思います。ただ、できれば、メールでも結果をもらえればよりよいと思います。」「レジュメなど、HPで様々な情報を公開していただいたので、役に立った。先生のHPは経済学部のなかで、最も充実しているものの一つだと思う。授業に関しても、若干スピードが早いと感じられることもあったが、全般的に問題はなかったと思う。内容についても、、理論面、現実面双方からアプローチをしていたため、抽象的な議論に埋沒することなくなかったと思う。レポートの点数の公表についてであるが、現行のやり方で問題ないというかいたしかたないと思う。私見であるがレポートの点数が公開されて嫌だと思うのは、総じてレポートの点数の良くなかった人の意見ではないかと思う。公開されて恥ずかしくない点数を取れれば問題がないわけで、自らの努力の足りないをあれこれいって、原因を他の問題にすり替える。自らが努力をする方が先であるような気がする。であるから、現行のやり方が評価する側、評価される側双方が納得出来る方法なのではないかと思う。」「レジュメの配り方に問題あり。」「授業のレジュメやレポートなど先生の授業に対する姿勢は大変素晴らしいものだと思う。これだけ丁寧な授業を行ってもらっているのだから学生の方も誠実な態度で授業を受けていたと思う。授業の出席している人数も私が受講したもののなかで一番多かったと思う。」「第一部は抽象的で理解に苦しんだが、第2部、第3部は具体的で説明も分かりやすく積極的に取り組むことができた。」「重要なことを聞き取ってメモするのが大変な時もあるので、もう少し詳しいレジュメにして欲しいです。」「自動車工場のところは、マニアックすぎて理解ができません。恐らく、自動車のことについて興味がないからかもしれません。授業全体もわたしにはおぼろげしか理解できませんでした。説明が抽象的だったからだと思う。」「学籍番号掲示は良いと思う。特に問題だとは思わない。川端先生の授業に対する真剣な取り組むには、感動した。こういう先生ばかりだといいのに。」「レジュメやホームページなど、とても丁寧に対応して下さってありがたく思った。」「丁寧な授業の取り組み方が伺えて、敬服しました。自分も、もう少し出席すべきだったと反省しています。4年ですが、単位が取れているかどうかの公表はしていただけないんでしょうか。」「講義の説明がよく分かりやすかった。内容も興味深いものだった。こういう先生がいっぱいいたら、経済学部は良くなると思う。」「レポート評価については実施された掲示方法で特に問題ないと考える。」「レポートの点数が全く納得いかない。レポートのポイントが全くつかめなかった。」「レジュメを配布して、市販の本は参考書に指定する形はとても良いと思う。レジュメのインターネットでの配布、レポートのメール提出は非常に好ましい。レポートの点数の公表には賛成です。」「配布物は取りあえずでも、前から配布して欲しかった。」「レポート、コメントとても混乱した。授業先生が分かってもらおうと努力しているが伝わってきたし、分かりやすい授業だった。授業にてる意義を感じた良い授業だった。レポート課題で、あいまいな条件をつけると、何を求めているのかつかめなくて、困ってしまう。それとも、それ位は分かりなさい!と言うのであれば、こう答えます。(全く分かりません。)」「私は他学部履習という形でこの授業をとったのだが、経済学部の学生の私語が多すぎるように感じた。後ろの方でこそこそという程度なら、私はいつも前の方に坐るので別に構わないのだが、前から3列目ぐらいでも平気で喋っている人がいる。無自覚にも程があるのではないか?レポートの点数の掲示については、今のやり方のままで全く構わないと思う。それそれ匿名云々ということ自体おかしいのでは?どうしても匿名に拘りたいという人がいたら、その人がメールなどで教官にその旨を伝え、教官の手間を多少煩わせるかもしれないが、伝えてきたものに限り対応していけばよいと思う。」「レジュメの内容が簡素すぎる。授業に出ている場合は問題ないが、休むと底の分の講義がぽっかりとあいてします。これは痛かったです。成績発表について、あるラインで「何点」(たとえば30点とか)と決め、それ以上の人は点数付きで発表する。」「授業はとても分かりやすく受けていて楽しかったです。レジュメですが、逐一穴埋め形式にできないものでしょうか。レジュメというより、講義ノートとしての側面を強くした方が学生側としては受けやすい。先生は几帳面なお方なんですね。掲示物とかを見えてそう感じました。レポートの点数発表についてですが、メール提出にするか、またはHPaweb上で学籍番号とパスワード(生年月日とかをあらかじめ登録しておく)を入力すると点数がが表示される仕組みを設定できないでしょうか?」「レポートの分量について何時以上何字以内というようなものを決めて欲しい。レポートの選択肢が多すぎる。+7点は大きすぎる。レジュメと講義だけでは理解しづらく、参考文献も多すぎるのでテキストを使用するなど改善して欲しい。」「マイクがきちんと使用できるようになって欲しい。」「図表が充実していた。ビジュアルに訴えかけられると理解しやすかった。」「マークシートの場所が分かりづらい。」「レジュメを作ってくれるのはよいが、文がならんでいるだけの部分が多く、少しみにくかった。選ぶ本によってレポートの評価が違っていたような気がする。」「もっとゆっくり話して欲しかった。」「話すスピードが速すぎて、メモをできていないのに進んでしまうことが多かった。講義レジュメは全く行間がないため、どことどこが繋がっているのか分かりにくかった。箇条書きにしてくれるなどすれば、もっと理解しやすいレジュメになると思います。」「レジュメを両面印刷にすれば資源節約になると思う。片面印刷で枚数が多いのは良くない。」「Eメールによるレポート提出の試みは良かったと思う。レポート点数を掲示するのは構わないと思う。」「総じて、講義内容が自身の興味とは正反対のものだったので、講義を受けるモチベーションは上がらなかった。だが、担当教官自体はとてもやる気があり、意欲を持って講義に取り組んでいたと思う。彼の今後の活躍を大いに期待したい。」「細かな点にも配慮にして、好感が持てた。例えばレポートの際の設問など。その他“教えよう”という熱意を感じた。」「授業も比較的理解しやすく、小テストの実施によって復習の面でも良かったと思える。また、テスト1回のみで評価をしないことは、学生にとって1回だけの失敗で評価されないので嬉しいことだ。」「レジュメがあったため理解しやすかったと思う。」「レジュメをもっと詳しくして欲しい。」「後半から面白かった。」「学籍番号表示については良いと思う。」「東北大の講師に分かりやすく、親切な講義をしてくれる先生であると思った。レポートについては選択の幅が広く、しかも厳密な採点がなされていたと思う。講評をここまでくわしくしてくれたのは、3年で履習した講義のなかでは、先生を含めて2人しかいなかった。」

自由記入欄へのコメント

 レポート点数公表方法については、今のところ現在の方法(学籍番号掲示)でよいようである。改善する方法が見つかれば採用したい。

 レポートの実施方法には、肯定的な意見と批判的な意見がある。きまった回答がないテーマもあったので、レポートのポイントをつかんでもらうためのコミュニケーションが不可欠となる。テーマの選択制や点数の通知、レポート講評の公開などを行うことについては肯定的な意見が多いので、これからも続けたい。しかし、採点基準や採点結果についての不満もあり、コミュニケーションが、まだ十分ではないのかもしれない。実際、今回は、テーマによって点をとりやすいものととりにくいものがあったのではないかということは、自分でも感じている。問題の性格上、全員に採点基準や結果を納得してもらうのは不可能であるが、改善に努めたい。

 インターネットの利用方法については、もっと色々工夫できるかもしれない。考えてみる。

 講義レジュメの行間について指摘があるが、ホームページのレジュメをダウンロードして編集すればよいと思う。

 説明が抽象的というのは、おそらく理論編のことだと思う。自分でも感じるので、もっと改善したい。理論編とケース編を両方やると詰め込みすぎとも思えるのだが、他方で、片方だけでは十分と思えず、そこが難しいところである。少なくとも、理論編のレジュメが、2年前よりは詳しくしたにもかかわらず、まだ簡素すぎることはまちがいないので、この点はさらに改善すべきだろう。

 こちらからも意見を言えば、学生諸君の方では配布物と板書にたよりすぎだと思う。教官がわかりやすく話すべきことは前提として、ヒアリングして自分の頭で再構成してノートすることにより、講義内容が自分自身の知識や思想となるのである。教官の話し方のトーンや身振りにも意味がある(ないこともあるが)。すべて文字に書いて示すのがよいということではないと私は考えている。

 


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