経済書購読
(0)コンセプト
*経済書購読というのは、個人的にはよくわからない授業です。昔は専門書をじっくり読む、という授業だったようです。たしかに、経済書の翻訳が少なかったかもしれないし、外国語に触れる機会は少なかったかもしれないし、当然原語で読まなければならない大学院に進学しようと考えている人も多かったかもしれません。でも、これは、一つ間違えればただの「当てて訳させる」パターンに陥る危険があります。これではつまらないので、このコンセプトは採りません。
*経済書購読には、もうひとつ、2年生の少人数教育を担う、という役割があります。一種のプレゼミです。これは大切だと思うので、この授業ではこちらの側面を重視します。というわけで、新聞のコラムを読み、それについて議論する、という作業を中心に進めます。当然、ある程度の予習が必要になります。また、皆さんの語学力ではなく、授業に投入した労力や参加度を評価します。
(1)テクスト
*ポール・クルーグマン(プリンストン大学、マクロ経済学)が『New York Times』に週二回(月曜日、木曜日)連載しているコラム「Synopsis」を読みます。経済に関する時論が中心ですが、政治から文化まで、なんでもありです。単語数は700語程度だと思います。授業で使用するコラムは、ぼくが人数分印刷して、その前の回の授業の際に配布します。基本的には「その前の回の授業」の前日に当たる月曜日のコラムを使用する予定です。
(2)授業
*班分け:授業に参加する皆さんは30人程度なので、これを8つの班に分けます。一回の授業は、このうち2つの班が担当します。
*事前の準備:全訳担当班はコラムを全訳し、参加する皆さんの人数分コピーし、当日配布します。リサーチ担当班はコラムの内容についてリサーチします。たとえば、どんなものごとをとりあつかっているか、何を言おうとしているか、などについてです。それ以外の班の皆さんは、コラムをざっと読んできてください。
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*授業の前半45分:全訳の黙読、全訳担当班による文法的な解説、文法にかかわる質問など、コラムの英語を理解する時間にします。進行は全訳担当班におまかせします。
*後半45分:リサーチ担当班によるリサーチの報告、質疑応答など、コラムの内容を理解する時間にします。進行はリサーチ担当班におまかせします。
*ときどき、反省会をします。これは「ぼくが」反省するための会です。
(3)成績評価
*大体、全訳を3回、リサーチを3回、担当することになると思います。一回ちゃんと担当したら10点とします。「ちゃんと」というのは、必要な準備をして、担当の45分を乗り切ることです。「うーむ」だったら5点、準備をしてこなかったら0点です。もっとも大抵は「ちゃんと」になります。
*なお、班のメンバーで、諸般の事情により担当に協力的でない人がいた場合は、その旨申告してください。適宜対処します。
*あとの40点は2回の個人レポートを評価します。ともにワープロで作成し、A4レポート用紙に印刷してください。第1回レポートは夏学期の最後の回に回収します。提出すれば20点です。
・テーマ:経済学を学ぶ意義は何か(これまでの大学での勉強の経験にもとづく)
・字数:3000から4000字
*第2回レポートは冬学期の最後の回に回収します。提出すれば20点です。
・テーマ:「経済書購読」講義に意義と意味はあるか(私ならこうする)
・字数:3000から4000字
(4)その他
*遅刻や早退、欠席、授業中の飲食は自由です。不必要な私語のみ遠慮してください。
*僕が担当する授業用の掲示板を作りました。携帯電話にも対応しています。質問や相互の連絡用にご利用ください。また、ぼくも、休講などの連絡用にはこの掲示板を使います。ときどきチェックしてください。なお、他の授業にも使うので、書き込む際はどの授業(経済書購読)に関係することかを記入してください。また、電子メールや電話を利用して連絡をくださってもかまいません。