2006年度「経済学史」講義・第3回レポート

課題図書:橘木俊詔『アメリカ型不安社会でいいのか』
11月27日から返却を始める予定です。

(1)成績

   0〜19点  20点  25点  30点  35点  40点
人数   0人   3人  16人  39人  23人   9人

平均点 30.8点

(2)講評
・配点は「書式を守っているか」10点、「課題図書の内容を十分に理解しているか」10点、「ロジカルに根拠を示しつつ論じているか」10点、「他の文献やデータを利用したり、これまで得た経済学的な知識にもとづいて論じるなど、オリジナリティがあるか」10点です。
・冒頭を1字下げないとか黒以外のインクを利用するとか(事前の申出や理由の明記なく)1ページに収めていないとかいったように、シラバスにある基本的なルールに反している場合は、5点減点しました。
・課題図書はさまざまなことを論じていますが、かなりの部分は経済学的な理論にもとづいています。ですから、それを評価する場合は、基本的に経済学的なロジックにもとづかなければなりません。また、著者は専門的な経済学者ですから、ほとんどの部分で、古典派・新古典派的な理論をわかったうえで自説を展開しています。ですから「古典派・新古典派的な理論でいうと……だから、著者の考えは間違っている」というアーギュメントでは、不十分です。もちろん「国民性」とか「心持ち」とか、どう考えても経済学的な理論にもとづく本らしからぬアーギュメントも含まれていますから、そこを指摘することは大切です。
・自分の経験(受験勉強や就職活動など)や家族環境など、プライベートな「自分語り」を記すレポートが見受けられました。これは評価の対象になりません。レポートはエッセーではないからです。レポートに書くべきは「客観的な」データや立論です。「自分語り」をデータとして使うことはできますが、その場合はしかるべき手続きが必要です。
・自分の考えを書くだけでは、それは「感想」であって「意見」ではありません。「感想」を「意見」にバージョン・アップするには、根拠やロジックでサポートすることが必要です。これができていない場合は、評価が低くなります。
・自分の考えを述べる場合は、まずはテーマやトピックを絞り、その点についてつっこむと、能率よく書けます。面白いトピックをみつけられるかが、皆さんの腕の見せ所です。