ユール・エ・ロワール県文書館(2007年9月訪問)
(シャルトル(Chartres)といえば、パリ・モンパルナス駅から国鉄の近郊線でほんの1時間、パリ盆地の一角を占めるボース(Beauce)地方にある街だが、なんてったって「シャルトル・ブルー」、つまり大聖堂ステンドグラスの「蒼or藍」で知られている。ここがサントル(Centre)地域圏はユール・エ・ロワール(Eure-et-Loir)県の県庁所在地である。
シャルトルは完璧なる観光都市で、国鉄駅を降りると、観光客であふれ、ドイツ語や英語がとびかう駅前広場に出る。駅前通をまっすぐ進むと大聖堂があるサンパな旧市街に出るが、そうではなくて駅前広場を右に線路沿いに1分進み、四つ角を右に曲がって架線橋で線路をこえると、すぐ左手の線路沿いに、建物たちと公園からなる整備された空間が広がる。これが県議会議事堂を中核とする新行政地区であり、同県文書館ADELはその一角にある。駅から徒歩5分というのは、すばらしすぎる。
ちなみに昼食は、駅まで戻ると、駅前広場や駅前通りにレストラン、カフェ、パン屋、ケバブ・サンドイッチ屋があるので、そちらでどうぞ。
名称 Les Archives departementales d'Eure-et-Loir
住所 Esplanade Martial Taugourdeau, Pont de Mainvilliers 28026 Chartres Cedex
開館 月曜日から木曜日は9時〜17時30分(第1火曜日は13時30分〜17時30分)、金曜日は9時〜16時
ADELは出来たばかりの建物で、玄関を入ると広いロビーになっている。その一角に受付があるので、例によってパスポートを出して利用者登録をし、閲覧証をもらう。ロビーの奥にロッカーがあるので荷物を置き、受付左のドアを入ると広い閲覧室である……が、トゥールとおなじく、ここも利用者が異常に少ない。こ、こ、こはいかに、と思ったら、ジェネアロジスト(先祖探しの皆さま)をひきよせる小教区簿冊がオンライン化されているではないか!! 彼らが県文書館に来る必要はないわけだ。これまたすばらしすぎる。
資料請求システムとしてGaiaが導入されているので、閲覧室の隅にあるインベントリーを調べ、端末でカートンを請求することになる。例によって同時に3箱しか請求できないので、1箱返しては1箱請求し……というのをくりかえす。非効率的この上ないが、利用者が少ないので、係員たちはかなり頻繁に資料をとりにいってくれるので、助かる。また、規則上は昼休みは資料交付は中断されることになっているが、ぼくが聞いたら「係員がだれかいたら、まあオッケー」という返事だった。この辺がフランス的なんだろう。