企業論シラバス(2002年度)

 

授業科目名 企業論

 

  期  U        4 単位

 授業担当者 川端 望

                       3・4  年

オフィス・アワー 

授業時に指定する

 

研究室  6618号室   電話 217-6279
E
メールアドレス kawabata@econ.tohoku.ac.jp

授業のねらい・テーマ

 この授業では、企業と産業の経済分析を、アメリカ合衆国のケースを通じて学ぶ。
 アメリカの企業・産業の話題は、日本の政府や企業が常に参照するものである。規制緩和もニュー・エコノミーもITバブルの崩壊も、みなアメリカ発の話題であった。この授業では、アメリカ産業の具体的な姿に個別に立ち入って分析し、個々の産業・企業の独自性を重視しつつ、経済学的な評価をも行っていく。テキストは、個別産業分析のロング・セラーであり、かつ改訂によって最新の動向がおりこまれている。

 テキスト・参考書

テキスト:ウォルター・アダムス&ジェームス・ブロック編『現代アメリカ産業論 第10版』(金田重喜監訳、創風社、2002年)。

参考書:アダムス&ブロック『アダム・スミス、モスクワへ行く ―市場経済移行をめぐる対話劇―』(川端望訳、創風社、2000年)。同『現代アメリカ産業論 第8版』(金田重喜監訳、創風社、1991年)。

 

 授業の内容もしくは予定

 

1 企業と産業の経済理論(1-1.アメリカにおける伝統的産業組織論とシカゴ学派/1-2.取引費用理論による企業論の展開)/2 石油産業/3 たばこ産業/4 ビール産業/5 自動車産業/6 コンピュータ産業/7 映画娯楽産業/8 航空輸送業/9 銀行業/10 保健医療産業/11 電気通信産業/12 自由企業経済における公共政策

 

 ただし、すべての産業を取り扱うには時間が足りないかもしれない。その場合は、いくつかのケースを省略する。

 

・学問的性格とスタイル

 テキストの著者は産業組織論(ミクロ経済学の応用)の枠組みをもちいているが、政治・経済権力を重視する政治経済学的発想も持っている。また企業の戦略的行動の研究は経営戦略論とも重なっている。よってミクロ経済学、政治経済学、経営学のいずれかの基礎を学んでいれば、理解可能である。

 この授業のスタイルはケースの記述に基づく推論を重視するものであり、モデル化と数理的分析を重視するものではない。なお、最新の産業事情を知るために英文資料を用いることがありうる。

 

 成績評価の方法

 出席は取らないが、授業の中で抜き打ち小テストをすることがある。
 小テストに20点、レポートと期末試験にそれぞれ40点を配点する。

 留意事項

 2年前の授業の合格率、授業評価アンケート結果などは以下を参照。ただし、今回は講義内容を大幅に変更している。
http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/jugyo2000.htm