更新:2022年11月27日
本書は、私にとって最初の単著となります。東アジアのダイナミックな経済発展の中に鉄鋼業を位置づけることを試みました。また生産・貿易構造分析とその動態化によって、東アジア鉄鋼業が持つ序列的構造と多様性、その変容を把握し、日本、タイ、ベトナム、中国山西省の鉄鋼業がそれぞれに持つ課題と可能性を明らかにすることにつとめました。2007年4月2刷。
序章 東アジア鉄鋼業研究の位置づけ:経済発展と鉄鋼業
1 東アジアの経済発展と鉄鋼業
2 経済発展と鉄鋼需給の傾向
3 東アジア鉄鋼業研究の課題と視角
第1章 東アジア鉄鋼業分析のフレームワーク:企業類型を基礎とした生産・貿易構造分析
1 本章の課題
2 企業類型・生産構造・貿易構造
3 三つの基本的企業類型
4 経済発展と鉄鋼技術選択
5 生産プロセスの東アジア展開と貿易分析
第2章 東アジア鉄鋼業の生産・貿易構造:序列性と多様性
1 本章の課題
2 東アジア鉄鋼業の基本指標
3 日本、韓国、台湾:銑鋼一貫企業による大量生産(グループI-1)
4 中国:特異な技術構成と制約された大量生産(グループI-2)
5 インドネシア:還元鉄一貫企業による量産(グループII-1)
6 タイ、マレーシア、ベトナムなど:一貫生産の不在(グループII-2)
7 生産・貿易の序列的構造と各国鉄鋼業の課題
第3章 日本:二大グループ化と国際提携の意義
1 本章の課題
2 先行研究の検討
3 協調的寡占と同質的競争の構造
4 市場競争の展開
5 研究開発・設備投資と労働・資産再編成
6 統合・提携戦略の構築
7 日本における銑鋼一貫企業の将来
第4章 タイ:プロセス・リンケージと階層的企業間分業
1 本章の課題
2 途上国鉄鋼業のリーディング・ケースとしてのタイ
3 タイ鉄鋼業の概観
4 薄板生産におけるプロセス・リンケージと企業間分業
5 鉄鋼貿易問題
6 途上国鉄鋼業発展への教訓
第5章 ベトナム:最後発からの挑戦
1 本章の課題
2 ベトナム経済の課題と鉄鋼業
3 歴史的背景
4 ベトナム鉄鋼業の基本構造
5 ベトナム鉄鋼業が直面する課題
6 条鋼セクターの貿易・産業政策
7 鋼板セクターの貿易・産業政策
8 駆け足のステップ・バイ・ステップ
第6章 中国山西省:小規模製鉄の歴史と構造
1 本章の課題
2 山西省小規模製鉄研究の意味
3 山西省製鉄業の系譜
4 「改革・開放」下における小規模製鉄の拡大
5 淘汰政策と企業成長
6 山西省製鉄業の展望
終章 東アジア鉄鋼業の達成と行方:序列的構造とその変容
1 分析結果の要約
2 序列性と可変性
3 東アジア鉄鋼業の焦点
引用文献
あとがき
人名索引
事項索引
正誤表(2006/7/11 Ver.4。これらの箇所は2刷りでは修正されています)
書評など
『経営史学』第42巻第2号、経営史学会で劉志宏氏による書評をいただきました。
『アジア研究』第53巻第3号、アジア政経学会で佐藤創氏による書評をいただきました。
『同志社商学』第58巻第4・5号、同志社大学商学会で岡本博公氏による書評をいただきました。
『アジア経済』2006年12月号、アジア経済研究所で東茂樹氏による書評をいただきました。
アジア経済研究所発展途上国研究奨励賞の最終選考対象作品となりました……が受賞はできませんでした。
『ふぇらむ』Vol.11 No.6、日本鉄鋼協会、2006年6月にて横山一代氏によるブックレビューをいただきました。
『産業学会研究年報』第21号、産業学会、2006年3月にて田中彰氏による書評をいただきました。
『季刊鐵の世界』第136号、日本金属通信社、2006年3月で紹介されました。
『日刊鉄鋼新聞』2006年1月24日付、鉄鋼新聞社で紹介されました。
「小田中直樹ネタ帳」2005年12月19日付けで感想をいただきました。
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