更新:2008年8月13日
本稿では、東アジアの銑鋼一貫企業を、生産システムの進化をめぐる競争、そのための投資行動という見地から比較分析しています。「生産システムの世代」論によって、日本の大型一貫企業、POSCO、宝鋼集団を銑鋼一貫システムの第2.5世代、宝鋼以外の中国大型一貫メーカーと中国鋼鉄を第2世代と評価しています。ページ数が限られているため、説明が十分ではありませんが、東アジア鉄鋼業を巨大企業論の観点から大きく捉えた構図を示すことにつとめました。私の論文にしては珍しくわかりやすいと思います。その分だけ、過度の単純化、一面化のおそれがあり、ご批判をあおぎたいところです。
1 はじめに
2 鉄鋼業における生産システムの進化と企業発展
3 生産システムの比較分析
(1)東アジアにおける大型船校一貫企業の地位
(2)第2.5世代の先頭を行く日本の大型一貫企業
(3)自主技術を確立し、製品高級化を図るPOSCO
(4)自動車用鋼板の供給を拡大する宝鋼
(5)発展への道を探る宝鋼以外の中国大型一貫企業
(6)生産能力拡大を図る中国鋼鉄
4 投資行動の比較分析
(1)民営化・株式化・政府の間接支配
(2)成長市場の獲得をめざす日本企業・POSCO・宝鋼の海外投資
(3)中国における政府主導の「椅子取りゲーム」
(4)発展パターンの拡大・変形と域外からの参入
5 おわりに
同じ対象について、
・
・田中彰「鉄鋼:日本モデルの波及と拡散」(塩地洋編著『東アジア優位産業の競争力:その要因と競争・分業構造』ミネルヴァ書房、2008年5月)。
オンラインでのご注文はこちら
愛智出版 (画面の更新が遅れていますが、注文できるはずです)
Feedback: mailto:kawabata@econ.tohoku.ac.jp